「毎日前を通り過ぎているのに、存在に気づいていなかった。ふとしたきっかけで自己紹介を聞いたら、とても魅力的なことがわかった」。恋愛ではありません、高校生と地元企業との出会いのお話です。
ジョブスタディIN小田原
小田原市で実施されているジョブスタディは、高校1・2年生を対象にしたお仕事セミナーです。高校生に地元企業の魅力や仕事の内容、企業が求める人材像を知ってもらう「社会勉強」の場。将来仕事を選ぶとき自分の能力を発揮し、生きがいを持って活躍できる職場として地元企業に就職し、地域経済の発展を担ってもらうきっかけとなるよう開催されています。
「働く」を知るセミナー
第1部のセミナーでは社会人講師の話を聞きます。2017年3月開催のセミナーでは社会保険労務士や地元ベンチャー企業経営者とともに、アマゾン合同会社の小田原FCセンター社員が「グローバル企業で働くということ」と題し講演しました。
2013年9月にオープンした新物流センター「アマゾン小田原FC(フルフィルメントセンター)」はアマゾンが全国に持つ物流センターの中では最大の大型拠点。アマゾンという全世界に展開するグローバル企業の一部でありながら、小田原の地元企業として働くことの意義ややりがい、小田原市との連携で実現した地域貢献活動などが紹介されました。
また小規模人数での実施だったこともあり、参加した生徒との活発な意見交換も。グローバル企業で働くために、学生時代にどのような準備が必要かを真剣に考えるきっかけになったのではないでしょうか。
高校生と企業の交流会
第2部のジョブトークは地元参加企業と高校生が丸く座り、気軽な雰囲気で話しあうセッション。交流は20分×4回。高校生は自分が興味を持った企業のグループに入り、配布されるシールを3枚集めるとお土産と交換できるというおまけつきで、楽しみながら地元で活躍する企業について理解を深めました。
参加した企業は有名蒲鉾会社や自動車部品メーカー、化粧品工場、福祉関連、住宅会社と多岐にわたりました。会社の存在はなんとなく知っていても、高校生の通常の生活では事業所の活動を知ることはできません。自分の生活のすぐそばで行われている企業活動は「地元で働く」という具体的なイメージにつながる契機になったことでしょう。
地元を元気に!
ジョブスタディは若年者雇用支援事業として、小田原市・小田原箱根商工会議所・小田原公共職業安定所が連携して開催しています。地元企業と高校生・保護者・高校の進路指導担当教諭の出会いを作るこの取組み。高卒での就職を考える高校生の中には、地元で仕事をしたいと望んでいる人が多いといいます。高校入学後、早い時点から働くこと、地元の会社について意識し始めることは仕事選びにとても役立つでしょう。このプログラムをきっかけに、地域の企業と若い働き手のマッチングがすすむことが期待されます。