ここ近年、高卒就職生の人気がうなぎ上りです。平成31年3月に高校を卒業した生徒の、就職に関する調査が文部科学省から発表されました。この調査を参考に、就職内定状況を詳しく見てみましょう。
内定率は9年連続上昇中!
平成30年12月末時点の全国の高卒就職希望者の就職内定率は91.9%でした。前年の同時期と比べると0.4ポイント上昇。9年連続で増え続けています。男女別に見てみても、男子は92.7%で0.3ポイント増、女子は90.5%で0.4ポイント増と、男女ともに増加しているのが分かります。
学科別の内定状況
学科別に見てみると、「普通科」は86.1%で前年同期比0.8ポイント上昇。「総合学科」は91%で前年同期比0.5ポイント上昇しています。「専門学科」では、工業学科が97%、商業学科が94.8%、農業学科が94.1%と、高い数字が並びます。
工業学科の高い内定率は、就職先の半数を占める製造業の人手不足を反映した結果だと推察されます。
都道府県別の内定状況
都道府県別に見てみると、内定率の高い県は、富山県97.1%、三重県96.8%、秋田県96.7%と、とても高い内定率になっています。県内外ともに就職率が全国トップの富山県では、中学生のころから「14歳の挑戦」という職場体験を実施しており、キャリア教育に熱心な県の取組みが結果に繋がっているのではないでしょうか。
一方で、内定率の低い県は、沖縄県70.2%、大阪府84.8%、東京都86.7%と続きます。内定率が最も低い沖縄県ですが、前年度と比べて県内の内定率は4.5ポイント上昇、県外の内定率は3.8ポイント上昇と、他県と比べても高い上昇率となりました。
企業にとってはますます厳しくなる高卒新卒採用
就職を希望する高校生にとっては良い状況ですが、高校生を採用したい企業側は十分な人材確保ができているのでしょうか。調査結果をみると、平成30年3月卒業生の就職希望者は186,312人で、前年度の就職希望者186,554人に比べるとわずかに減っているのが分かります。一方求人の数は約47万5千人と前年から10%以上増加。高校生を採用したい企業にとっては、厳しい現実です。
高卒就活の独自のルールである「1人1社」制を見直す動きも出てきています。大卒就職生のように、高校生も複数の企業に応募できるようになれば、ますます争奪戦が過熱するでしょう。高校生にとって、より魅力的な企業であることを、ホームページの採用サイトやSNSなどを積極的に使って、アピールしていく必要があるのではないでしょうか。
高校生にとっては、ますます広がるチャンス
高校生にとっては、可能性が広がり、さまざまな企業を見比べて自分に合う企業を選択できるチャンスです。最近は、高校生と企業が交流できるイベントの開催や仕事内容や働く人の声を詳しく載せたサイトなど、自ら情報を収集できる機会がたくさんあります。ぜひ、このチャンスを活かしましょう!!