高校生に社会で働くことをイメージさせるため、さまざまな取組みが行われています。【前編】でご紹介した、教育と探求社のキャリア教育プログラム「クエストエデュケーション」。
このプログラムには、2つの特徴があります。
①単発のキャリア教育ではなく、学校の授業の一環として、1年間を通して生徒達が取組むこと
②実在する企業や身近な社会問題をテーマに、学校の教育目標や課題に合わせたプログラムであること
この2つの特徴をうまく活かし、中高生がプログラムを通じて学んだ成果を発表する大会が「QUEST CUP」です。
学びの集大成「QUEST CUP」!
1年間「クエストエデュケーション」を通して取り組んできた、生徒達の探求の成果を発表するチャンスとして設けられた「クエストカップ全国大会」。2006年から開催され、今年で14回目を迎えます。2019年に開催された大会では、全国140校、約25,000人の生徒達の代表チームが、社会に向けて、熱い思いのこもったプレゼンテーションをおこないました。
審査対象は「企業探求コース」・「進路探求コース」「起業家コース」「社会課題探求コース」の4つ。
企業探求コースの「コーポレートアクセス」部門は、企業のインターンシップを教室で体験できるコースです。大会では、企業から出されたミッションを、学生ならではの柔軟な観点から探求し、1年をかけてチームで考えぬいた成果を発表します。大会1日目の予選で選ばれた8チームが、大会2日目に行われるセカンドステージでグランプリを競います。
2019年度、インターンシップを受け入れている企業は8企業。それぞれの企業がクエストエデュケーションで学ぶ中高生に自社の強みを生かしたミッションを提示しています。中学生や高校生は、出されたミッションについて授業の中で取組み、自ら考え、答えを探していく中で、問題を発見し解決する力や論理的に考える力を育てます。また、チームで協力して課題に挑戦し、お互いの意見を交換しながらコミュニケーション力を磨いていきます。
QUEST CUPのHPには、大会の動画が掲載されており、参加した学生達の発表を見ることができます。
「本当に高校生や中学生だけで考えたの?!」と思ってしまうほど、独創的で面白く、思わず引き込まれてしまうものばかり。絵やグラフ、動画を駆使したスライドに、堂々とした話し方からは、あふれ出る自信すら感じられます。
どんな高校生にも、大きな可能性と能力があります。彼らが自分の能力に気づき、人生を自分の力で切り開けるように、サポートするのがキャリア教育の大きな目的。普段の授業の中で、考える楽しさを学びながら、探求できる環境を整えることが、キャリア教育を実践していく上で大切な事なのではないでしょうか。