高校のカリキュラムにあるさまざまな「キャリア教育」。興味のわくもの、ピンと来ないもの、色々な感じ方があると思います。このシリーズでは高校を卒業した先輩方へのアンケート調査にスポットをあて、高校時代に「知る、考える」価値の高い学習内容についてご紹介します。
「大事そうだな…と思ってたけど、やっぱり役立った!」
まずは高校時代にも、卒業後に振り返ってみても「役に立つ」「意義がある」と評価されているものから。先輩方が「もっと知りたかった、指導して欲しかった」と思っているのは、どんなことなのでしょう?
自分の個性や「向き・不向き」を考える
高校生期は自分の将来や進路を想像し、大人の社会でどう生きていくのかを考える時期です。「社会的・職業的自立に向け」「キャリア発達を促す」のがキャリア教育ですが、その中に高校生自身の個性や適性を考える「自己理解」学習があります。
自分自身をよく知ることで、自己を客観視し、よりよい進路設計ができるようにするのが「自己理解」の目的です。かつては「能力的適性」だけが注目されがちでしたが、最近ではそれぞれのパーソナリティ(興味・志向、性格、価値観など)も含めて総合的にとらえ、経験や成長とともに変化していくものであると考えられています。
自己理解の方法
「さぁ、自己理解を深めなさい」と言われても難しいですよね。そこでキャリア教育プログラムの出番です。グループワークや職業への適性テストなどさまざまな手法やツールがあり、学校ごとに工夫、カスタマイズが行われています。ぜひ積極的に取組み、活用してみてください。
自己理解は変わるもの
就職や進学先について調べたり、インターンシップを経験したりすると興味が変化することがよくあります。人は知らないものを欲しいと思ったり、興味を持つことはできません。積極的に見聞を広めることで選択肢と可能性が増えていきます。高卒で就職、あるいは進学など、現実的で具体的な決断をしなければならない高校生だからこそ、変化していく自分をしっかりと見つめておいた方がいい!という先輩方のメッセージを感じます。
社会全体のグローバル化の動向について
「難しそう!」「自分からは遠い話」だと感じますか?グローバル化とは世界全域で支え合ったり依存したりするプロセスのこと。もちろん地球規模の課題もありますが、意外に身近な問題とつながっているんです。
多くは地理歴史、公民などの社会科学習の中で扱うテーマ。例えば国際的な企業間の競争や世界共通の基準作りなどは、日本での労働環境の変化に影響します。非正規労働の増加や成果主義、外国人と共に働くことなど何十年か前には注目されていなかったことが、世界の状況の変化とともにクローズアップされています。
社会に出てから先輩方は「ああ、このことだったのか」と感じることが多かったのでしょうね。グローバル化(国際化)については高校時代にリアルに感じられない部分もあると思いますが、しっかり理解しておくと後々プラスになりそうです。
「あの時もっと勉強していれば…」
・自分をよく知ること
・広い世界について知ること
対極的なことのようですが、どちらも社会で活動していくときに大切であるというのが卒業生の実感のようです。高校生の皆さん、大人が陥りがちな「あの時…」にならないでくださいね!