高校生の時に知りたかった
高校での「キャリア教育」プログラム。授業を受けた高校生がどう感じているかを調査したアンケートの中から、高校を卒業した先輩方の回答に注目し社会に出てから大事だと感じる知識や学習をご紹介するシリーズです。
1回目は「思っていた通り役立った」と感じる人の多かった「適性分析」と「世界を知る学習」を、2回目は高校を卒業後に必要性を感じるようになった「社会人・職業人としての常識やマナー」について取り上げました。
3回目の今回は、「学校ではあまり教わらなかったが知っておきたかった」と考えられている「就職後の離職・失業など、将来起こり得る人生上の諸リスクへの対応についての学習」の内容をご紹介します。
30代前半で6割が離職経験あり
厚生労働省の若年者雇用実態調査によれば、「最初に務めた会社には、今現在は勤務していない」と回答した30~34才の人は63.5%。つまり、3人のうち2人は仕事を辞める経験をしているということです。
多くの人はずっと勤めるつもりで会社を選ぶでしょうし、会社も長く定着して働いて欲しいと思っています。実際には、高卒新卒で就職した人の4割、大学を出て就職した人の3割が3年以内に退職しているのが現状。退職や転職は働き始める前に想像することは少ないけれど、決して他人事ではないものだといえます。
予期せぬ困難を乗り越える
7割の高校生が進路を考えるとき「なんとなく不安」だと思っている、という意識調査の結果があります。社会で仕事をしていくうえで起こるさまざまなことに、全て準備をしておくことは不可能。困ったときにどうすればいいか、どんな方法があるのか、を知っておくことがとても大切です。
対応方法を知っていれば…
仕事に関わるリスクは、生活、ひいては人生に深い影響をおよぼすことがあります。当事者の個人の力だけで乗り切ることは簡単ではありません。そんなとき、さまざまな専門的支援をしてくれる公的機関があるのをご存知ですか?
実は高校教育(現代社会、政治・経済、進路指導など)の中で触れるチャンスのある情報なのですが、高校時代に「情報提供を受けていないor覚えていない」という卒業生は、困ったときに「解決方法を知らない」「1人で問題を解決しようとする」と答える割合がそれ以外の人と比べ2倍に上ります。反対に「公的機関を活用する」としたのは2分の1以下。具体的に覚えていなくても「相談できる場所がある」と知っていることが大切だと言えます。
高校生にぜひ知っておいて欲しい「諸リスクへの対処法」に関する情報は以下のようなものです。
・働き方について(労働条件、労働環境、メンタルヘルスなど)
・職業関連(産業構造、就職活動、求人票の見方、ブラック企業対策など)
・働く人の権利(労働法、労働組合など)
・セーフティネット(社会保険、生活保護、奨学金など)
・困ったときの相談窓口(労働組合、総合労働相談コーナー、労政事務所、労働基準監督署、ハローワーク、ジョブカフェ、サポステなど)
卒業を控えた3年生など学校では教わらなかったな、という方は、ぜひ一度自分で調べてみてください。
(当サイトで取り上げた機関については、以前の記事をぜひご覧ください。)
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