中小企業庁(中小企業の育成、発展のために、経済産業省の外局として設置された行政機関)がおこなっている「起業家教育」プログラムをご存知ですか?
高校生を対象に、未来の起業者を生み出す目的で始められた「起業家教育」のプログラム。就職を考える高校生のみなさんにも、役に立つ情報がたくさんつまった内容になっているので、ご紹介したいと思います!
「起業家マインド」は、すべての高校生に必要な力
「起業家教育」プログラムは、高校生を対象に、現在全国の4つの自治体と6つの高校で実施されています。地域の課題や学校のカリキュラムにあわせ、それぞれの特色を生かし、起業家や外部講師を招いて講義をおこなうなど、計20時間の集中プログラムになっています。
起業家教育の目的は「起業家的能力」と「起業家マインド」の育成です。
「起業家的能力」とは、コミュニケーション能力、判断し実行する能力、情報収集・分析力、リーダーシップなど、さまざまな能力をあわせた力。目指すのは、『実現したい事を、社会の中でビジネスとして自ら成立させること』です。
「起業家マインド」は、創造性や探求心、チャレンジ精神などの個人の力。目指すのは、『自分が進むべき方向を探求し、実現しようとする姿勢』です。
これらの力は、起業家だけに必要な特殊な力ではありません。これから社会に飛び出し、自らの力で生きていく全ての高校生に必要不可欠な力だといえます。
データで見る、「起業家教育」の効果
「起業家教育」プログラムを通して「起業家的能力」や「起業家マインド」を理解することで、自分のやりたいことを発見したり、キャリア選択時の明確なイメージが持てるようになります。
実際に、起業家教育プログラムに参加した高校生のアンケート結果より、どのような効果があったのか見てみましょう。
① 仕事のイメージが明確になった
プログラム初日、「やりたい仕事がない、イメージができていない」と答えた高校生は3割を占めましたが、プログラム最終日には、「やりたいことが見つかった、イメージできた」と答えた高校生が8割にも増加。プログラムを通じて、自分がやりたいことや仕事へのイメージが明確になった事がうかがえます。
② 起業へのイメージがポジティブに変化した
「責任が重い」「失敗するかも」「方法が分からない」といったネガティブなイメージが多かった起業に対する印象が、プログラム体験後は「たくさんの人と繋がれる」「やりたい事ができる」といった、ポジティブなイメージに変化しました。
「起業」への理解を深めることで、「人との繋がり」や「社会への貢献」など、積極的に社会に関わっていける未来が想像できるようになった結果ではないでしょうか。
参加理由第一位は「進路に役立つ」
起業家教育プログラムへの参加は、学校のクラス単位や参加希望者による応募など、さまざまな形で募集されました。
参加しようと思ったきっかけで多かったのは、以下の3つ。
① 進路に役に立つと思った
② 楽しそう、面白そうだと思った
③ 教科書以外の勉強もしてみたかったから
「進路に役に立つ」と答えた参加者は全体の約半数!高校生のみなさんが、自らの将来の選択肢を、いろいろな角度から模索している様子がうかがえます。また、キャリア教育に繋がるこうしたプログラムに参加することは、面接の時の自己PRや、高校の活動履歴としても説得力があるでしょう。
「起業家マインド」で自分の未来をつかみ取ろう!
自立した人間として、他者と協力しながら新しいものを作り上げる力など、これからの時代を生きていくために必要な能力を育てることを目的とした「起業家教育」プログラム。
高校を卒業後、就職を考えている高校生のみなさんも、自分の希望する未来をつかみ取るためにぜひ「起業家マインド」を身につけましょう。興味のある人は、チェックしてみてください!