インターンシップという言葉をご存知でしょうか?インターンシップとは一定期間、企業や事業所等で実際に仕事をする就業体験のことです。
特に高校生のインターンシップは、企業が高校教育への援助・協力として実施する点に大きな特徴があります。多くは3~5日、高校と連携した協力企業の職場、あるいは企業主導のプログラムで、社員の指導をうけながら業務を経験するというものです。
インターンシップの意義
実際の職場での体験的な活動を通じて、仕事をするとはどういうことなのかを知ったり、自分が思い描いていた仕事のイメージと現実との一致やギャップを確認することができます。
また、何らかの職業に関心が生まれることもあるでしょう。そういう経験をすることによって、自分の将来について目的意識がはっきりしたり、学習意欲が湧いてきたりするところにインターンシップの意義があります。
どんなことが身につくの?
高校生の人間関係は学校、家庭、友人関係に限られがちです。しかし、いずれ社会の一員とならねばなりません。インターンシップは学校教育だけでは得られない、貴重なキャリア教育を受けるチャンスです。
この体験をきっかけに社会への目が開かれ、学ぶ意欲が生まれてきます。インターンシップは社会人としての自立の第一歩となるものです。
例えばコミュニケーション能力
職場では朝の挨拶から始まって、仕事上のやりとりなどコミュニケーションを図ることが必須です。しかも、それは異年齢の方とのコミュニケーション。学校のように、同年齢同士又は限られた年齢差で話が通じればいいというわけにはいきません。
言葉を整理して相手に伝え、相手の話を理解するという能力が身につきます。また、仕事上でわからないことが出てきたり、何らかの判断をする必要性もあるでしょう。
どうしたらいいかを最終的に職場の人に教えてもらうにしても、そういった経験は課題解決能力を育てることにもつながるのではないでしょうか
お子さんをニートにしないために
内閣府の2016年版「子ども・若者白書」によれば、2015年時点でのニート総数は56万人。気になるのは若年層の上の世代における人数がほぼ横ばいで推移している状況です。
これはつまり、一度「ニート」の状態に陥ると、その立場から抜け出すことが難しいということです。
また、“七五三”と言われるように、中学校卒業者の7割、高校卒業者の5割、大学卒業者の3割が、就職して3年以内に仕事を辞めています。離職してもほかの職業に就くのならいいのですが、そのままニート状態になってしまうこともあるようです。
こうした問題の原因はどこにあるのでしょうか。さまざまな背景がありますが、目的意識を持てないまま、何をしたらいいかがわからない人が増えていると考えられます。子どもたちに早い段階から職業観、勤労観を身につけさせ、主体的に自分の進路を選択できるようにすることが非常に重要です。
高校生だからこそインターンシップ体験を
インターンシップは学校生活や日常生活では切実に感じられない、さまざまなことに気づくきっかけになります。自分の職業適性や将来設計や、勤労観や職業観、あるいは保護者の職業に対する興味を持つかもしれません。
さらには社会の一員としてのマナーやコミュニケーション能力の大切さにきづくでしょう。また、地域の様々な産業の実態に直接触れることで、視野を広げ、地域社会との関わりの重要性を学ぶことができます。