高校生向けインターンシップについて、前回はその仕組みと企業側の目的についてご説明しました。
今回は高校生がどんなことを体験できるのか、参加するメリットについてご紹介します。
実際どんなことをするの?
高校生の場合多くは3~5日間、受入れ先の職場で指導のもと実際の業務を経験します。職場により、内容は様々ですが、一部をみてみましょう。
・自治体、省庁の場合
都道府県、市町村、省庁など公務員のインターンシップは夏休みなどの長期休暇に行うところが多く、期間も長めになっています。部署にもよりますが、仕事内容としてはアンケート集計、書類作成、イベント運営補助などの業務がメインとなります。
・民間企業の場合
企業の場合高校生のみを対象としたプログラムを組んでいるところが多く、その会社によって業務内容は実に多様です。デザイン系の会社では写真加工、IT系の会社ではiPhoneアプリの制作など、普段なら出来ないような体験を通して仕事に対するイメージをより明確にするチャンスかもしれません。
・大学の場合
大きく事務と研究室の2つに分かれます。事務ではその課によって図書館業務、企画、書類作成、写真撮影など多様な業務を行います。研究室の場合は大学の様子を知る、またより専門的な研究に触れることを目的として行われるため、内容としては実際に講義を聞いて議論したり、学部によっては作業・実験などを行うこともあります。
高校生の心を動かす体験?
進学者が多数を占めるある高校で、キャリア教育プログラムの効果を3年生全員を対象に調査したデータがあります。それによれば、インターンシップ(2年次に3日間実施、全員対象)経験は大学合格体験談やオープンキャンパスをおさえて、高校生達に最もインパクトを与えたことがわかります。
「人生に影響を与えた」「モチベーションを上げられた」「印象に残っている」の3項目すべてにおいてインターンシップと回答した生徒が多いのです。
インターンシップの効果
高校生がインターンシップを行う意義はいくつも考えられますが、例えば「職業観の形成」「積極的な進路選択」「学習意欲の向上」「社会人としてのマナーの会得」などが挙げられます。
自分の適性や将来を考える良い機会であると同時に、これから何を学ばなければならないかを知るきっかけにもなります。就業体験を終えた時には、進路を選択するヒントを得られることでしょう。
インターンシップを通して普段とは異なる環境に身を置くことは、自分に足りないものは何か、社会に出るときに何が求められるのかといったさまざまなことを感じ、学ぶチャンスになります。家庭や学校、友人の中ではない、いずれお子さんが進んでいく社会を体験する貴重な経験になると思われます。ぜひ活用なさってください。