ITって何?
ITは「インフォメーション・テクノロジー」の頭文字をとった略称。直訳すれば「情報技術」ということになります。コンピューターとネットワークに関連する技術、と考えるとわかりやすいですね。
では、IT業界とはどのような業界なのでしょうか。この業界には多くの業種や職種があり、仕事の内容は技術やサービスの進化につれ年々複雑化しています。では大きく4つにわけてみていきましょう。
1.インターネット・Web
国内の代表的な企業はヤフー、楽天、LINE、外資系ではアマゾン、グーグル、フェイスブック、ツイッターなど。高校生のみなさんも、毎日のようにお世話になっていますよね。インターネットを活用したサービスを提供する企業は大別すると2種類になります。
・企業向けの取引(B to B):Webサイト制作、ネットワーク構築、インターネット広告代理店など
・一般消費者向け取引(B to C):ポータルサイト運営、SNS、ショッピングサイトなど
近年ではスマートフォンの普及によりサービス競争の主戦場がパソコンからスマホへとうつりつつあります。大企業から、小規模でも新しいサービスを生み出すベンチャー企業まで全体が活気とスピード感に満ちた業界だといえるでしょう。
2.ソフトウェア
世界最大のソフトウェア企業といえばマイクロソフト。世界の売上げランキングを見ると2番手に米オラクル、3位IBMとなっています。
ソフトウェアはハードウェアの動作を制御するためのプログラムのこと。システム全体を管理するOS(オペレーティングシステム)とOS上で特定の作業を実行するアプリケーションの2種類にわけることができます。スマートフォンのために開発されたAndroidやiOSなどは知っている人も多いのでは?パソコンで処理できる作業は多様化しており、さまざまなアプリケーションが次々と開発されています。
日本のソフトウェア業界の販売は、近年は堅調に推移しています。今まで以上に業界の中心になりそうなキーワードは「クラウド」。データなどを自分のパソコンやスマホではなく、インターネット上に保存することで、大勢で安く利用できるようするサービスのことです。大量のデータを使うサービスが増えるにつれて、インターネットに関わる安全(セキュリティ)対策も重要になっています。
3.ハードウェア
日本の売上げトップ3は日立、ソニー、パナソニック。海外では、アップルが有名です。ハードウェアとは、簡単に言うと機械、装置、設備のこと。具体的にはパソコン、テレビ、スマートフォンや周辺機器(キーボード、マウス、モニター、プリンターなど)と、それらを構成している電子回路などを「目に見えるモノ」を指します。日本の技術力の高さは世界から一目置かれていますが、海外メーカーとの競争は激しさを増しています。特にサムスンをはじめとするアジアのメーカーは、安価な製品を提供して成長を続けており、日本は苦戦しています。
使い勝手のよいアプリケーションの開発が注目されていますが、どんなに高性能なソフトウェアでもハードウェアがなければ使うことができません。今話題のIoT(モノをインターネット化すること)のビジネスや、ロボット、ドローンなど新しい技術が次々と出てきています。
4.情報処理サービス
NTTデータ、オラクル、野村総研などが代表的な企業です。システムインテグレータ(SI)とも呼ばれ、企業に情報システムの導入を行う際に必要となるすべてのサービスを提供する業種です。身近なものでは銀行のATM、鉄道や飛行機のチケット予約など、さまざまな技術の組み合わせ(インテグレーション)によって作られているシステムを開発しています。
情報処理サービス業界は、ハードウェアとソフトウェアの両方を扱い、さまざまな会社が安定的にビジネスを進めるためのシステムを開発する会社が多い業界です。企業がより収益をあげるために、システムについてアドバイスするコンサルティングサービスを提供する企業もあります。