世界に誇る花形産業、自動車業界!
日本は中国やアメリカに次ぐ自動車生産大国です。自動車産業は暮らしを便利で快適なものにするとともに、雇用を生み、社会を支える日本の代表的な産業のひとつ。社会に欠かせない車づくりをになう業界の現状をみてみましょう。
日本の自動車産業
2014年現在、自動車と自動車部品等をあわせたトータルの製品出荷額は全製造業の17.5%を占める約54兆円。トヨタをはじめとした完成車メーカーに加え、部品メーカーなど関連産業では日本の労働人口の約9%、550万人が仕事をしています。いかに巨大な産業であるかがわかりますね。
2014年度の大手メーカーの売り上げを見ると、圧倒的に大きいトヨタが11兆円超え。日産やホンダなども3兆円を上回り、日本企業でも有数の金額です。まさに日本経済を支える基幹産業といっていいでしょう。
世界における日本のクルマ
世界の自動車新車販売台数はトヨタが4年連続シェア1位を獲得しました。ライバルはドイツのフォルクスワーゲン、アメリカのゼネラルモーターズ。3社が熾烈なトップ争いを繰り広げています。トップ10には4位の日産・ルノー、7位のホンダ、10位のスズキがランクインしており、日本車の存在感の大きさが感じられます。
世界市場では中国をはじめとした新興国の需要が拡大しており、いかにその地域で販売を拡大するかが成長のカギ。国家レベルで戦略が組まれており、国際社会での競争力を維持しています。
税金の影響で?
日本自動車工業会によると、2015年の自動車の国内販売台数は約504万台。前年に比べ9.3%減となりました。特に低調だったのが、4月に増税された軽自動車で、16.6%減と大きく落ち込んでいます。2013、14年には200万台を超えて過去最高の台数が売れていたのですが、一転、需要が急減しました。
国内販売は、実は「税金」の動きにより販売台数が左右されるのです。2014年4月の消費増税時、直前に購入する「駆け込み需要」の反動で、その後の新車販売台数が激減しました。2017年4月に予定されているさらなる消費税増税をひかえ、2016年は新たな駆け込み需要が起きそうです。
成長するエコカー市場
2016年新車販売台数ランキング、軽自動車をおさえて1位のトヨタ「アクア」は電気とガソリンなど複数の動力源で動くハイブリッドカー(HV)です。政府は2020年までにエコカーの割合を50%まで引き上げるという計画を立てています。環境問題や燃費向上、安全性のアップへの関心を背景に、手厚いエコカー補助金や減税が販売をさらに後押ししそうです。
自動車業界の抱える問題
自動車業界にもいくつかの課題があります。それは、少子化による人口減や若者のクルマ離れなど。新興国市場開拓とは別に、減り続ける国内需要に歯止めをかけることが急がれます。今後も日本における自動車産業の重要性は変わることがありません。変わらぬ存在感を放っていくために、新たな人材の活躍も期待されます。