「本職の大工さんと一緒に家づくり」‥大人でも体験したことのある人はなかなかいません。そんな貴重な経験をした高校生がいます。ご紹介したいのは、大阪府が実施している「高校生向け『ものづくり』魅力発信プログラム」。プロの職人とともに家づくりをするワークショップを通じ、通常の学校生活にはない体験をした高校生たち。さて、何を感じたのでしょう?
「プロから学ぶ 家づくりワークショップ」
平成29年2月、プロの大工と塗装職人から直接家づくりのノウハウを学び「小さな家(木製の物置小屋)」をつくるイベントが東大阪市で開催されました。高校生がものづくりを身近なものとしてとらえ、興味を持ち、職業観を拡げるチャンスとなるよう企画された「高校生向『ものづくり』魅力発信プログラム」。さっそく高校生のアツい1日を追ってみましょう!
参加したのは12名の高校生。最初は緊張していたのか指示されるままでしたが、床材の釘打ち工程で空気が一変。うまくできない!どうしたらいいのだろう?真剣さと集中力がアップし、みるみる上達し時間内に素晴らしい出来栄えの小屋を作り上げました。
大工さん指導で本格施工
家の設計から準備と指導をおこなったのは地元工務店大成の永藤さん。「高校生たちに釘打ちをしてもらいたかった」と、床・内壁・外壁に釘を打つ場所をあえて多く用意したそうです。
当初は簡単なキットを購入して一緒に組み立てるような内容を考えたとのこと。しかし、せっかくならばもっと本当の家づくりに触れてもらいたいと、内容を大幅に変更しました。
材料についてはこだわりの桧材をふんだんに用い、更に手加工で刻んだ土台・柱・梁などで組む木造軸組構造に。家づくりの現場写真などで説明も取り入れながら、よりリアルな家づくりを体験できる内容にしたとのことです。
機械加工が主流の建築資材も、工務店の大工さんが手刻みで準備。高校生たちにも昔気質の職人魂が伝わったのではないでしょうか。ハードな1日を終え、完成した小屋の前でヘルメットをかぶり笑顔の高校生たちからは、達成感がにじみ出ていました。
参加した高校生の声
振返りワークショップではこの日の作業で感じた事を書き出しました。「もっと大きな建物を作ってみたい」「棚を作ってみたい」「設計もしてみたい」。ものづくりの道にすすむ人があらわれるかもしれません。
出会いのチャンス
ものづくり体験やものづくりを職業としている大人との出会いは、多くの発見を高校生に与えるのではないでしょうか。職人の感性や職業観を学ぶことで、自分自身と社会や将来の仕事とのつながりを感じるきっかけにして欲しいものです。
大阪府の「高校生向け『ものづくり』魅力発信プログラム」は、今後もさまざまな「体験講座」や「体験イベント」を開催する予定だとのこと。多くの自治体に同様の取組みがひろがるといいですね。高校生のみなさん、働く大人にぜひ会いに行ってください!