「このままでいいのかな‥」うっすらとそう思っていても、自分で動き出すことのできない高校生は少なくありません。大事な時期である彼らの背中をそっと押すにはどのようなアプローチがあるのでしょうか。進学にも就職にも熱の入らない高校生への働きかけを考えてみました。
専門高校の就職指導
多くの生徒たちが高校卒業後に進学以外の道を選ぶ学校では、就労に向けた指導が中心になります。商業・工業などの専門高校では、生徒たちが高校進学の時点で将来の仕事を意識し、高校3年間でその分野の基礎を学んでいますので、比較的進路指導もスムーズにいくようです。
普通科の難しさ
しかし、普通科では事情が異なります。本人の明らかな意志で就職を希望する場合はよいのですが、消極的な選択としての「就職」である場合、指導に難しさを感じる先生もいらっしゃるのではないでしょうか。なかなか働くことを自分ごととして考えられない高校生へのアプローチは、まずは漠然とでも「働くことのイメージ」を持たせることから始める必要があるでしょう。よくある生徒のタイプ別に考えてみました。
やんちゃ系
勉強する気はほとんどなしの、昔風に言うならツッパリ、ヤンキータイプ。教師にとっては指導しづらい難しい相手ですよね。彼らは自分のコミュニティ、人間関係を大切にする傾向があります。先輩の紹介でアルバイトや仕事に出会うことも。お手本になる卒業生の情報が提供できるとよい刺激になるのではないでしょうか。
他人が苦手系
小中学校で人間関係トラブルを経験し、コミュニケーションに自信のないタイプ。学習意欲は高く、いろいろな可能性を秘めています。しかし人と接することを苦手とする彼らは、接客が多いアルバイトなどには及び腰。キャリア教育に理解のある企業でのインターンシップなどで「自分にもできる」という手ごたえをつかませたいものです。
無気力系
非常におとなしく、自己主張がほとんどないタイプ。アルバイトをすることを考えもせずに高校生活を送り、親に背中を押されてひっそりと「就職希望組」になります。自分から動く意欲が見えづらいので、周囲からの継続的、積極的な働きかけが必要だといえるでしょう。
まずは「働くイメージ」を
高校生の就職活動は高校3年の春から準備が始まり、7月の求人票開示、会社見学、履歴書指導、面接指導と続きます。9月に行われる採用試験に向けた流れにのせることができれば、自然に真剣さが増していくのではないでしょうか。
就職を希望する高校生は「地元志向」が強いようです。遠方の求人にあえてチャレンジする人は多くありません。「地元で過ごす」を「地元で働く」に変換できれば、就職活動を卒業後の生活につながるものとしてイメージできるのかもしれません。
全てのタイプに共通するスタート地点は「働くこと」をイメージさせること。就職活動が本格化する前にやる気スイッチをONにしておきたいものです。