高卒就職への注目度が高まっています。売り手市場の新卒高校生採用ですが、生徒にアドバイスをする高校の進路指導担当の先生方から見て良い求人、良い会社とはどのようなものなのでしょうか?
高校生獲得競争!?
平成29年3月に高校を卒業した生徒に対する求人数は約32万4千人、前年同期と比べて13.3%増加しました。反対に、求職者数は約18万5千人で前年同期比0.6%の減少。多くの求人の中から高校生・先生に興味を感じ、応募してもらうには工夫が必要だといえるでしょう。
先生から見た「良い求人」
生徒に寄り添い、アドバイスをしてきた進路指導の先生方は、長年企業からの高校生向けの求人をご覧になっています。大事な生徒さんに勧めたくなる、安心して生徒を託せる、と思うのはどのような会社なのでしょうか?
興味を呼ぶ求人票とは?
高卒新卒生の採用は、7月1日に全国統一フォームの求人票を学校に送付するところからスタート。就職希望の高校生は9月5日の応募開始に向け、進路指導の先生と相談しながら1人1社に絞り込みをしていくことになります。多数ある求人の中から自社に注目してもらうためには、なるべく多くの情報を載せることが大切です。
知りたい情報を提供して欲しい!
先生方からは求人・採用試験の時点で情報が足りない、という声があります。実際の詳しい仕事内容、具体的に必要な能力、社員の定着率や教育・研修制度など、プラスアルファの生きた情報が必要とされているのです。「仕事の内容が具体的にイメージできない」「寮があるかがわからない」というような疑問は、しっかりと情報発信することで解決できそうです。
企業側ができるミスマッチ対策
就職後のミスマッチを防ぐためには応募前の職場・仕事への理解が必要、と考える先生が多くいらっしゃいます。「職場見学」や「インターンシップ」はとても有効ですが、スケジュールやアクセスの問題があり簡単ではありません。まずは求人情報・自社の情報を充実させることが先決です。
求人時にはネガティブに捉えられそうな情報は隠しがちですが、生徒の抱いたイメージと実態がかけ離れてしまうとせっかく採用しても長続きしない、ということになりがちです。「こんなはずじゃなかった」というミスマッチを防ぐためにも、問題点があれば改善策を添え、率直な情報開示をしたいものです。そういった企業の姿勢が、信頼や好感につながるのではないでしょうか。
3年以内の離職者数など新しい項目が必須に!
平成29年3月からの新卒求人申込書には「青少年雇用情報欄」が追加されました。開示が義務付けられているのは以下の項目です。
1. 募集・採用に関する状況
(過去3年間の新卒採用者数と辞めた人数、平均勤続年数など)
2. 職業能力の開発・向上に関する状況
(研修、自己啓発、メンター制度についてなど)
3. 企業における雇用管理に関する状況
(実際の有給取得日数、月平均労働時間など)
自由記入欄でアピール!
決められた項目や数値以外の「補足事項・特記事項」欄は実はとても重要。会うチャンスの少ない高校生に自社の魅力をアピールすることがでる場所です。企業側からすれば、長く定着し、成長してくれる人材を採用したいもの。求める人物像を明確にし、若者を育成したい!という意欲を伝えることができれば、職場見学や応募に結び付くのではないでしょうか。
求人倍率は実に1.75倍!
平成30年卒の高卒採用を増やす、とした企業は26%(前年25%)。高校生を採用したい!という企業は多くあり、欲しい人材・人数を確保するのは難しくなっているのが現状です。十分な情報提供は応募につながるだけではなく、ミスマッチが原因の早期退職を減らす効果があります。今後の採用活動には「情報提供・発信」が必須!といえるかもしれません。