9月の半ばに始まる高卒新卒の採用選考。2週間程度で6割以上の高校生が内定を決めてしまう短期決戦です。目標の採用人数を獲得するために準備を進めている企業も多いでしょう。有利に採用活動を進めるには、高校生が就職や企業に何を求めているのかを知ることが必要不可欠!!高校生の考えを知った上で、早めに準備・対策をすることで、採用活動の成功にグッと近づきます。
データから見る「仕事を選ぶ時に重視すること」
厚生労働省が発表した、「30年版子供・若者白書」によると、高校生が職業を選ぶ時に重視することのTOP3は以下の通りでした。
1位:安定して長く続けられる
2位:やりたい事ができる
3位:福利厚生の充実
また、実際に高卒生の採用に成功している企業からは「給料よりも福利厚生の充実を重視する傾向にある」「有給休暇の取得や残業代の支払いなどをしっかり整備したら応募が増えた」という声も。最近の高校生は、収入よりもやりがいや仕事の内容など、より豊かな生活を送れることが大切だと考えていることが伺えます。
高校生が就職先を選ぶ時の決め手は「安心感」!?
一方で、学校の先生からは「生徒達の就職活動の基準は安心感のようだ」という意見も。高校生にとって「安心」して働ける企業かどうかが、就職先を決める時のとても重要な決め手となっているようです。
昔のように「背中をみて学べ」という姿勢は通じなくなっています。丁寧な研修制度が整備されていて、福利厚生が充実している会社で働き、数年先のビジョンの見通しがたつ「安心感」。このような理想の働き方をもとめて、高校生は求人票の雇用条件だけではなく、会社案内のパンフレットやホームページなどにも、しっかり目を通すそうです。
高校生が求めている情報はこれ!
ある企業がおこなったヒアリング調査の結果、「欲しいと思った情報・有益だと思った情報」で多かったのは以下のような意見でした。
【欲しい情報】
・入社後どんな作業をするのか、全体的なイメージが分かるものが知りたい
・必要な資格は何か
・社員や先輩の意見が聞きたい
・会社の環境や雰囲気が知りたい
【役に立った情報】
・ホームページにあった仕事紹介などの動画
・年齢ごとの給与を解説した図
・高卒で目指せる役職
・社員の1日というコーナー
分かりやすいパンフレットやHPで高校生の興味をひこう!
企業としては、自社の業績などをアピールすると良い、と考えがちですが、高校生が求めているのは、安心して働ける会社かどうかの判断材料です。最近では、生徒自らが会社名をネット検索するため、ヒットしなかったりパッと見て小難しそうなHPだと敬遠されてしまいます。
高校生の興味をひくポップなイラストや写真を使ったり、漫画形式にしたパンフレット、動画を載せたHPや高校生向けに作られた採用サイトを充実させるなど、分かりやすく情報提供をしていくことで、企業に興味を持ってもらいやすくなります。
できるだけ早めの対策を!
ヒアリング調査によると、就職のために情報収集を開始した時期は「高校3年になってすぐ」と答えた生徒が半数を占めています。求人票が解禁になる前から、高校生は情報収集を始め、複数の企業を比較検討しているのです。
他の企業との差別化を図るためにも、パンフレットやHPを充実させるなど、早めの対策が必要なのではないでしょうか。