コロナウィルスの影響で、高卒生の採用活動は先行き不透明だという企業も多いのではないでしょうか。しかし、「ものづくり」大国である日本において、「ものづくり」の技術を継承する若手人材の育成は必須。
そこで今回は、工場が多く工業が盛んで、鋳物(いもの)産業や人形産業など伝統的な産業を行う地域を多く抱えている埼玉県での高卒採用にスポットを当ててみました。
工業や伝統的産業が盛んな埼玉県
埼玉県は工業団地に適した、平らで交通の便がよい土地が多いため、工業が盛んです。製造品では多くの品目で、出荷額全国1位となっています。また、埼玉県にある工場の数は全国で第4位。本社を他府県に置く企業の工場受入れ数は全国1位を誇ります。
川口市の鋳物工場や岩槻市の人形工場も有名で、伝統的な産業を行っている地域が多いのも埼玉県の大きな特徴です。
「ものづくり」県としての埼玉県の取組み
埼玉県では、県をあげて若手人材の育成と雇用拡大に取り組んでいます。
① 積極的な企業誘致で「ものづくり」産業を盛り上げる
埼玉県では、「チャンスメーカー埼玉戦略」を立ち上げ、継続的に企業誘致に取り組んでいます。特に、「埼玉県の強み」である食料品、医療・健康・美容関連、航空・宇宙・自動車関連の分野を積極的に誘致し、県内産業の振興と雇用の創出に取り組んでいます。
② 「ものづくり」の楽しさを高校生に伝える
埼玉県は、「ものづくり」産業を若い世代に知ってもらうため、『高校生ものづくり最前線体感事業』をおこなっています。
県内にある「ものつくり高等技術専門校」や「ものづくり企業」などと協力し、県内の高校へ通う高校生を対象に、「ものづくりの教育機関」と「ものづくりの現場(工場や研究施設)」を見学するツアーを実施。
「ものづくり」の楽しさを高校生に伝えると同時に、就職を考える高校生に県内企業の魅力を知ってもらう機会となっています。
高卒採用に有利な情報を積極的に開示
埼玉県労働局では、埼玉県内の高校別就職希望者数が分かる資料や、県内の高校ごとに学校訪問が可能な時期や時間をまとめた表を公開しています。
どの高校に就職希望者が多いのか、いつ学校訪問に行くのがベストなのかが一目瞭然なので、学校との関係を築くのにとても役に立ちます。ぜひ、チェックしてみてください。
独自の採用ルールが、ミスマッチを防ぐ!
埼玉県労働局のHPによると、就職面接会は「予備面接会」と位置づけており、就職を考える高校生は、正式な応募の前に複数の企業での面接が可能となっています。
いくつか面接を受けた後、一社に絞り学校を通じて正式に応募を行う流れになっているので、高卒採用の懸念事項のひとつである、ミスマッチによる「早期離職」の防止が期待されます。これは、高校生と企業の双方にとって大きなメリットでしょう。
埼玉県で高卒採用を成功させるためのポイントは3つ!
県をあげて様々な取組みを行っていますが、埼玉県の強みである「ものづくり」や工場での仕事は、高校生にとっては馴染みが薄く、仕事内容が想像しにくいのも事実です。
まず、「就職を考える高校生に、企業の魅力を伝える」ことが、何より重要になってきます。
そのために必要なポイントは3つ!
① インターンシップや職場見学会を積極的に開催する
→知ってもらうには、実際に体験してもらうのが一番です。より深く仕事を理解してもらえる「インターンシップ」や、会社の雰囲気を感じてもらえる「職場見学会」などを積極的に活用しましょう。
② 学校訪問で信頼関係を築く
→高卒採用において、学校との信頼関係はとても大切です。埼玉県が公表している高校の情報を利用して、定期的に高校を訪問しましょう。企業の熱意や魅力を進路担当の先生に伝え、信頼関係を築ければ、有望な生徒の推薦に繋がります。
③ WEBコンテンツを充実させる
→WEBコンテンツは、思い立ったらすぐチェックできるのが大きなメリット。デジタル世代の高校生に、より身近に感じてもらえます。自社のHPに高卒採用サイトを立ち上げるのもいいでしょう。
会社や仕事について、写真や図、動画を活用し、高校生が理解しやすいコンテンツを用意することが必要不可欠です。
厚生労働省発表によると令和元年7月末時点で、埼玉県の求人数は16,340人、求職者数は7,019人。求人倍率は2.33%と、全国平均と比べても高い数字になっています。
採用激戦区ではありますが、コロナウィルスの影響で集団説明会や応募前職場見学ができない今だからこそ、WEB上でセミナーや会社説明会をするなど、WEBをうまく利用して高校生にアピールしましょう!