高校生になったお子さんへの接し方、意識的に変えていますか?高校生期は子どもから自立した大人へと変化していくうえで重要な時期です。親も「保護者」という感覚を少しずつ切り替えていく必要があるのではないでしょうか。
「朝、自分で起きてこない」
高校1~2年生の子をもつ保護者への調査によれば、70%が高校入学後も毎朝子どもを起こし、半数以上が子どもの部屋を掃除している、ということです。本当なら「自分でできる」と主体性を持って欲しいところですが、毎朝やきもきしたり、汚い部屋にイライラするぐらいなら「自分が動いた方が気が楽!」というお母さんが多いのかもしれませんね。
主体性には訓練が必要?
基本的な生活習慣は、たとえ今できていなくてもいずれ独り立ちすればできるようになるのかもしれません。ただ、高卒での就職や進学を含め進路選択などの大きな意思決定を主体的にできるようになるためには、情報収集をして自ら動く経験が必要になります。高校生の子どもに対し、過保護にならないよう心がけている方も多いと思いますが、さらに意識的に子離れをし、自立を促すような関わり方をすることが大切だといえそうです。
「急に手放しするのも不安…」
放任でも過保護でもない、ちょうどよい関わり方というものがあるのでしょうか。子どもの性格や状況、発達の段階によって適切な距離感は変わってきますよね。高校生期の子どもに大切なのは「信頼して本人に任せる」というスタンス。保護者にも手出し・口出しを控えて待つ、という覚悟が必要になってくるのではないでしょうか。
失敗は成長のチャンス
高校生は挫折や失敗を乗り越えたときに、大きく成長するといいます。失敗やつまずきをどう解決するか自分で考え、自ら動くという経験は自立や主体的な選択の大きな自信になるのではないでしょうか。失敗回避の動きや周囲からの助けに慣れてしまうと、自発的に動いて問題を解決する力を育てることができません。
自立の支援者として
「保護者」という言葉には子どもを「守る」というニュアンスがあります。失敗させたくない、という親心から一歩進んで「失敗を見守る」勇気を持ちませんか?うまくいかなかった時には「失敗を恐れずチャレンジしたことが素晴らしい」「きっと解決できる」と声をかけたいものです。
高校生活も後半になると、思っているよりも子どもは精神的に成熟しています。価値観の押し付けや、人と比べるような言葉を嫌い「自分を尊重して欲しい」と望んでいる高校生に対し過干渉はマイナスになります。「信頼して見守る」という姿勢がお子さんの成長を促し、親子の信頼関係を築くことになるのではないでしょうか。