2019年3月卒業の高校生新卒採用、6月1日からハローワークへの求人申込が開始されました。大学生の採用が難しくなり、以前には高卒就職生を採用してこなかった企業でも高校生シフトをするところが増えています。高校生新卒は空前の売り手市場。実際動けるのは7月から‥と思っていると出遅れるかもしれません。
たった2週間で6割以上の高校生が就職決定!?
2018年3月卒業の高校新卒者、内定率を見て驚きました。9月末の時点でなんと62.7%!ここ20年のデータの中でも最高値です。高校生の本格的な就職活動の始まり9月5日の書類送付解禁日から。面接などの採用活動解禁日は9月16日です。そこから約2週間…かなりの割合の高校生が第一志望の企業から内定をもらった、ということになります。
9月末の内定率の推移を見ると急激に上昇したのは3年前の54.4%から。それまでは30~40%代をウロウロという感じです。3月末での内定率はずっと9割を超えていることを考えると、生徒側の事情というより採用する側のスピード感が変化しているのではないかと思われます。
高校生採用では面接が必須。他に学科試験や作文などを実施することもあります。不採用の場合、高校生は書面での通知を受けてから次の活動に入ります。企業は迅速な採否通知を心がけていますが、9月末までに第二志望の企業から内定をもらうのは難しいでしょう。
そう考えると多くの高校生が最初に応募した企業から一発内定を得ていると考えられます。すんなり内定をもらえた高校生、翌春入社の人材確保がほぼ確定した企業。どちらにとっても良い9月だったのではないでしょうか。
めざせ!「高校生の第一志望企業」
そもそも高校生の就職活動は「1人1社制」。たったひとつの企業にしか応募することができません。優秀な高校生の第一志望になることが、採用する企業にとって重要なポイントになります。応募されるまで、企業側から個々の生徒への働きかけはほとんどできません。激化する高卒新卒採用にはさまざまな工夫が必要になりそうです。
まず大切なのは学校との関係づくり。進路指導の先生の認識は生徒の希望に大きく影響します。また求人票の公開日である7/1まで採用活動はできませんが、通年で高校生向けのWEBサイトや動画での情報発信することはできます。自社で働く若手社員の様子や就職後のキャリアプランなど、求人票には載せきれない情報を見てもらうことができます。
1人1社制や面接に関する制限など、高校生を守るための採用のルールには問題点もあります。最大の問題はミスマッチ。高卒社員が「思っていたのと違う」と辞めてしまう原因のひとつと言われています。自社の姿を理解してもらおうとする努力なしに高校生の採用は成功しません。高校生にスマホで検索された時「この会社いいじゃん」と思わせるコンテンツがあれば効果的なのではないでしょうか。
2018年9月末には7割近い高校生が第一志望の内定を手にしているかもしれません。高卒新卒採用を考えていらっしゃる企業は、自社に合った人材に応募してもらうべくすぐに行動を始めてください!