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「高卒就職の応募は一人一社制」のメリット・デメリット
~高校生の就職活動のあるべき姿を考える~

2018/10/25  440 views

高校生足元
高卒就活の大きな特徴といえば、「一人一社制」です。「一人一社制」とは、生徒が学校から推薦を受け、応募する企業を1社に絞ることです。一度にたくさんの企業に応募できる大卒の就職活動と違い、高卒の就職活動は1つの企業にしか応募できないのです。その企業から内定がもらえなかったとき、他の企業に応募することができます。

「一人一社制」の成り立ち

では、「一人一社制」とはどのようにして出来上がったのでしょうか。
このルールができたのは、高度成長期の1950年の半ばです。学業優先を掲げる文部科学省、不正に生徒を採用しようとする企業を減らしたい厚生労働省、人材の確保をめざす企業、生徒を就職させたい学校が、公正な選考を保つために定めたものです。

「一人一社制」の現状

罰則などはありませんが、高度成長期を過ぎた現在でも、国・経済団体(日本商工会議所)・全国高等学校長協会の3者の申しあわせ事項として残っています。これまで、より多くの生徒に応募のチャンスを与え、たくさんの求職と求人を短い期間でスムーズに結びつける仕組みとして機能してきました。

「今のルールの方が楽だ」、「高校生が自分に合う会社を、自ら選ぶのは難しい」といった意見も根強くあります。しかし、情報があふれる現代社会において、自分自身に必要な情報を自ら選択・判断・決定することが、ますます強く求められています。高校生であっても、職業選択の段階で、基本的には自分の意志と責任において選択・決定されるべきではないかという意見もあり、「一人一社制」のルールを疑問視する声も出始めています。

「一人一社制」のメリット

では、「一人一社制」にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。企業・学校・高校生、それぞれの立場から見てみましょう。

・企業のメリット

→コストの削減
「一人一社制」では、まず学校に求人票を送ることが決まりになっているので、採用媒体への掲載や人材紹介会社との契約などの必要がありません。広告費もいらないので、大卒の採用費と比べて、ぐんと安くなります。

→内定辞退者が少ない
複数の内定を確保できる大卒の学生と違い、高校生は1社のみの応募なので、基本的に内定辞退はありません。そのため、採用計画が立てやすく、効率的に人材を確保できます。

・学校のメリット

→就職先の確保
学校内で複数の生徒が同じ企業に応募することがほぼないため、内定率が高くなります。そのため、就職を希望する生徒を、ほぼ全員就職させることができます。

・高校生のメリット

→学業の優先
複数の企業に応募することで就職活動に追われ、学校生活に支障が出るのを防ぐことができ、学業を優先することができます。

→採用がほぼ確実
学校にくる求人に対し、学校推薦という形で競合なく応募できるため、採用されやすいといえます。

「一人一社制」のデメリット

・企業のデメリット

→教育コストがかかる
入社の時点でまだ成人しておらず、アルバイト経験などの社会経験が少ない高卒生。働くことに慣れていない、理解が薄いという場合もあります。持っている能力を引き出し、戦力となる人材に育てるまで、ある程度の教育期間と教育コストが必要になります。

・学校のデメリット

→求人票の整理に時間がかかる
ある高校では就職を希望する生徒120人から130人に対し、1500件以上の求人票が企業から届くそうです。高卒の就活は、教師が求人票をチェックし、生徒にあった企業をいくつかに絞っていきます。担当の教師がひとつずつ内容をみて、地区別や職種に整理していくため、相当な時間がかかります。

・高校生のデメリット

企業と実際に接触するチャンスは、実質的に夏休みに実施される応募前職場見学に限られます。職場見学の際、企業側は採用につながるような働きかけを慎むよう指導されているので、高校生側からのアプローチにも限りがあります。面接で話をしてみて「合わないかもしれない」と思っても、すぐに他の企業に応募することはできません。

最大のリスクはミスマッチによる離職率の高さ

企業と学校、高校生にとっての一番大きなリスクは、離職率の高さでしょう。高卒の3年以内の離職率は40パーセントにものぼると言われています。
高卒採用特有のルールである「一人一社制」のため、高校生は複数の会社を比較して、就職活動を進めることができません。また、採用面接以外で企業と生徒が直接接触することも、基本的に禁止されています。そのため、応募した会社への理解や自分の適性があまり把握できないまま、入社後に会社とのミスマッチが起きてしまうのです。

本来、高校生を守ることを目的に作られた「一人一社制」のルール。しかし、高校生を取り巻く環境が大きく変わってきた今、本当に高校生のためになっているのか。しっかり考え直す時期にきているのかもしれません。


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