高卒新卒で就職をする高校生が大人気です。いまや人手不足は深刻な社会問題。政府は外国人労働者の受入れを拡大するための法改正をおこない、今年4月の施行を目指していますが、人手不足が解消されるのかは不透明です。
少子化の問題も重なって、新しい人材を獲得するのは厳しいのが現実です。大卒の採用活動は依然売り手市場が続いており、若手社員の採用に頭を悩ませている企業も多いのではないでしょうか。
高卒者にスポットライト!
企業にとって人材確保の厳しさが増す中、注目されているのが高卒新卒者です。厚生労働省が発表した「平成30年度のハローワークへの求人や求職の状況」によると、求人の数は約42万6千人。前年に比べて13.7%増えています。
文部科学省の発表では、2018年度の高卒新卒就職者数は約18万6千人。大卒新卒就職者の40パーセント強にあたる数字になります。大学生の新卒採用に苦戦する企業が、大卒者に比べて競争率が低い高卒者に採用をシフトしているのが伺えます。
高卒採用のメリットって?
企業が高卒者を採用するのは、大卒者の採用が難しいからだけなのでしょうか?実は、高卒採用にはあまり知られていないメリットがたくさんあるのです。
内定辞退が少ない
大卒者は、複数の企業から同時に内定を獲得するため、入社までに内定を辞退される可能性があります。内定辞退は、採用担当者にはとても頭の痛い問題点でしょう。
高卒新卒採用には、基本的に「一人一社制度」のルールがあり、複数の内定を同時にもらうことはほぼありません。内定を辞退されるリスクは極めて低く、採用人数を把握しやすいメリットがあります。
「働く意欲」が高く、素直
高校生が就職を選ぶ理由はさまざまですが、自立を目指すために働きたいという理由が多く、「頑張って働いて稼ぎたい!」とい強い気持ちで就職してきます。また、教えられたことを忠実に学ぼうとする素直さが魅力のひとつです。
長期にわたり戦力化が期待できる
地元企業に就職する確率が高い高卒採用は、若くて将来性のある人材をいちはやく獲得できるチャンスです。入社後に採用した生徒が活躍すれば、その高校からの継続した採用にもつながります。
学歴不問で採用している企業の例
「丸亀製麺」などを全国展開しているトリドールホールディングスは、2016年から2018年の間に約200人の高卒新卒者を採用しています。トリドールホールディングスでは、学歴の区別なくステップアップできる仕組みをつくっていて、高卒社員は入社後の4年間、大都市部の店舗でしっかりしたフォロー体制のもと勤務。その後、適性を見て本社や本部の業務に配属されるとのことです。現在、複数店舗の店長をかけ持つ高卒社員もいます。
高卒新卒生は可能性を秘めた原石!
高卒就職・採用フォーラムでは「高卒生を積極的に採用している企業」を数多くピックアップしてきました。「しっかり教育し、人材育成をする環境があれば、社会にでて働きたいという意欲の強い人は高校生に多い」として、高卒生を積極的に採用している企業が多くあります。
高校生も大学生も、初めての就職という点では、仕事において実務的な差はそれほどなく、やる気次第という点も多いでしょう。商業高校や工業高校出身の生徒なら、専門的な知識をすぐに仕事で活かせるメリットもあります。
人手不足や少子高齢化などの社会問題が深刻化する中、優秀な人材を確保することが採用担当者の急務となっている今。若く、柔軟で、将来性のある高校生の採用戦略を練ってみてはいかがでしょうか。