「高校卒業後の進路選択」は、高校生活の中でも重要な決断です。就職を考えている高校生にとっては、人生を左右する大きな決断になるでしょう。
この決断をする時、自分で考えず周りの意見だけで決めてしまうと、思ったような結果ではなかった場合、「親がすすめたから」「先生がいいって言ったから」と、責任転嫁したくなるかもしれません。でも責任を誰かに押しつけても結果は変わりません。後悔だけが残ります。
自分の人生は自分で切り開いていくもの。そのためにも、「決断力」すなわち「自分で決める力」を育てることが必要なのです。「自分で決める力」は今後の社会生活や仕事で求められるだけでなく、人生の幸せにもつながります。
「決断力」は幸福度にもつながる
2018年9月に神戸大学経済経営研究所創立100周年記念連続シンポジウムで「所得や学歴より『自己決定』が幸福度をあげる」という調査結果が発表されました。
自己決定することが、なぜ幸福度につながるのでしょうか?
進路を自分の判断で決定することで、結果に対して責任を持つようになります。思ったような結果でなくても「自分の責任で失敗した」という気持ちは、自分の力で立ち直る力になり、その後、成功した時の自信につながります。成功体験の達成感や自尊心が幸せな気持ちを生み出すのです。
「決断力」を身につける方法
では、「決断力」を見つけるにはどうすればいいのでしょう?
自分で決めるには、まず「自己分析」が大切です。自分の事を深く知っていれば、「●●が好きだから、△△の仕事をしてみたい」、「将来は〇〇したいから、今のうちから□□を学んでおこう」というように、自分のやりたい事、進むべき道が明確になります。
自己分析は簡単にできる
どうやって自己分析をすればいいの?と戸惑う高校生もいるでしょう。「自己分析」と文字だけ見ると、とても難しいように思いがちですが、プロセスはとっても簡単!
☆紙に書き出してみる
自分の「好きなこと・嫌いなこと」「やりたいこと・やりたくないこと」「大切にしていること」などを箇条書きにしてみるだけで、自分への理解が深まります。誰に見せるものでもないので、ささいな事でも正直に、思いつくまま書いてみましょう。
昔の自分を思い出し、今の自分と比べてみるのもいいでしょう。変化があった部分や昔から変わっていない自分が発見できて、面白いですよ。
☆親や友達に聞いてみる
「あぁ、やっぱり!」と自分の事を再認識したり、「周りからはそんな風に見えていたんだ!」と新しい発見もあるでしょう。周りが自分の事をどんな風に捉えているかを知るのは、とても大切なことです。客観的に自分を見ることで、より深く自分を知ることにつながります。
☆自己分析ツールを活用してみる
白い紙に書き出すことが、なかなかできない人は、自己分析ツールを利用するののひとつの手です。大阪府教育委員会監修の「16才からのシューカツ」には、アンケートに答えていく形で自己分析ができるワーク集があり、ゲーム感覚で進めていくうちに自己分析につながるので、取り組みやすいのではないでしょうか。
自己分析で、自分の「強みと弱み」「自分の価値観や考え方」がはっきりすれば、選択に迷っても、何が今の自分に最善かが決めやすくなります。
高校生から自己分析をしていると、進路選択で悩むことがグンと減ります。ぜひ、自己分析に挑戦してみてください。
小さな積み重ねが、決断力を磨く
自己分析ができれば、あとは「決める力」を鍛えるだけです。日常生活の小さな決断の積み重ねが、決断力を鍛えます。
実は、私達は日頃から数えきれないほどの決断をこなしています。曇り空で傘を持っていくかの決断、購買でどのパンを買うかの決断などがその例です。「決断」だと思わず何となく選んでいるかもしれませんが、小さな決断1つ1つを自覚し、振り返ることで、決断力を高めていくことができるのです。
失敗しても、それは次の決断をする時の選択材料になります。必要以上に失敗を恐れず、決断力を磨きましょう。そして、身につけた決断力で、ぜひ納得のいく就職先を見つけてください!