ソニー生命保険が2019年に行った「中高生が思い描く将来についての意識調査」の「将来なりたい職業」で女子高校生の1位、男子高校生の6位にランキングしている「公務員」。
高卒就職で公務員になるのは無理だ!と思っている高校生も多いかもしれませんが、実は多くの高卒生が公務員として活躍しています。
そこで今回は、高卒から「公務員」になるためにはどうすればいいのか、分かりやすくお伝えしたいと思います。
「公務員」に興味がある高校生のみなさん、ぜひチェックしてみてください!
高卒で目指すのはプロフェッショナルな道を極める公務員!
高卒で公務員になった場合、「その分野の事務に特化した仕事」をこなすなど、特定の仕事のプロフェッショナルとして働くことが求められます。そのため、若いうちに現場で経験を積むことが大切な職種などに、技術を吸収する力が高いと期待される「高卒」の採用枠が設けられています。
「高校生」が受験できるのは「高卒試験区分」
公務員の試験の中で、高校生が受験できるのは、「高卒試験区分」の「高卒(高校卒業見込みを含む)程度」試験です。高校3年生程度の問題が出題されます。
高卒試験区分の公務員試験は、9月以降に行われることが多く、地方公務員の試験では、「地方上級」「地方中級」「地方初級」の順番に実施されます。自治体によっては、「地方上級」に不合格した場合、「地方中級」「地方初級」の区分で受け直せるなど、チャンスが数回あります。
高卒から「国家公務員」になるには
高卒から「国家公務員」になるには、人事院が行っている「国家公務員採用一般職試験(高卒者試験)」を受験します。
以前は国家公務員試験III種と呼ばれていました。主に事務職と技術職とに分かれており、希望する職種の試験を受験することになります。
基礎能力試験や適性試験、作文試験を行う「1次試験」と性格検査、人物試験を行う「2次試験」があり、合計点で合否が決まります。これらの試験に合格した後、希望する省庁に官庁訪問し、内定を得る流れになります。
高卒者試験の試験区分には、都道府県を9つのエリアに分けて採用される「技術(日本各地の税関や運輸局など)」・「事務(各エリアの官公署など)」と全国共通で採用される「林業(全国の森林管理局など)」「農業土木(農政局・整備局・北海道開発局など)」の職種があります。
「技術」区分は、さらにいくつかの専門分野に分かれて採用試験が実施されます。採用エリア内での勤務になるので、地域に密着した働き方ができます。一方で、「林業」「農業土木」は全国転勤もあり、日本各地で活躍の場がある職種になります。
国家公務員の試験情報は人事院のHPに詳しく載っています。採用試験のスケジュールだけでなく、セミナーや説明会をはじめ官庁訪問に関する情報が得られます。また、人事担当者のメッセージも紹介されているので、「求められる人材像」などの参考にもなります。
人事院のホームページには公務員を目指す高校生にとって必要不可欠な情報がたくさん載っているので、ぜひチェックしましょう。
高卒から「地方公務員」になるには
高卒から「地方公務員」になるには、各地方自治体が行う公務員試験を受験します。
「高卒程度試験」・「地方公務員初級試験」などが「高卒」向けの公務員試験になります。市町村の場合は、学歴指定のないものが「高卒」も受験可能な試験です。職種や受験資格は自治体によって違うので、各自治体のHPで確認しましょう。
高卒で目指せる地方公務員の職種はいろいろあります。主に事務系の職種が多く、市役所の窓口や学校の事務職員を担当する「行政事務」や「学校事務」、警察署の事務を担当する「警察事務」といった職種です。
他にも、電気や建築、土木などの専門的な分野の仕事を担当する「技術職」の職種もあります。消防官や警察官も高卒からなれる公務員で、「公安職」と呼ばれる地方公務員になります。
早めの試験準備が必勝のカギ!
公務員試験に合格するには、しっかりした準備期間が必要です。公務員の試験は年々受験者が増加しており、試験の難易度も上がっています。しかし、国家公務員・地方公務員ともに現場で経験を積むことが大切な職種に関して、若くて吸収力の高い「高卒者」を積極的に採用しています。
このチャンスを活かすためにも、インターネットなどで情報収集をおこない、早めに準備をして対策を練りましょう。
いかがでしたか?
就職を希望する高校生に人気の「公務員」。就職先の1つとして検討してみてはいかがでしょう?今まで知らなかった魅力を発見し、自分に合った「公務員」の職種がみつかるきっかけになるかもしれません!
「高校生がなりたい職業シリーズ」、次回もお楽しみに!