「成長の幅が大きい」優秀な人材として人気の高卒新卒生。少子高齢化による人材不足が深刻化し、ますます高卒求人の数が増える中、今まで大卒生を採用していた職種にも高卒生を採用しようと動く企業が出てきています。
高卒社員の実力を実感し、採用枠を増やす企業が増加
下着メーカーの大手「ワコール」では、約20年ぶりに入社した高卒就職生の仕事ぶりから、成長スピードの速さとポテンシャルの高さを実感。採用人数を2人から9人に増やしました。
さらに、高卒就職の社員のモチベーションアップを目的に、入社5年目から大卒新卒社員より給与が高くなる評価システムを設定。高卒生への評価の高さと期待の大きさが伺えます。
専門的な知識を必要とするコンサルティング業界でも、高卒採用を始める企業が増えています。店舗コンサルを手がける「ピアズ」では、「高卒生の柔軟な思考は、コンサルティング業務でも十分通用する」とし、入社後に実務経験をしっかり積ませるなど、高卒就職生を受け入れる体制を整えて採用を開始しました。
銀行も高卒採用を開始。大学進学費を全額負担する銀行も!
静岡銀行は、地域に密着したサービスの強化を考え、地元をよく知る高校生の採用を、2020年度卒業生から再開することを決定しました。入社後4年間の店舗勤務のあと、今まで大卒生が担当していた業務にも配属される予定で、高卒就職生の可能性を広げる体制になっています。
さらに、静岡銀行では、入社後、働きながら夜間コースや通信制の大学に通う制度も導入。大学の受験料や授業寮などは銀行が全て負担してくれます。また、5年目からは、大卒の社員と同じ人事制度に移行し、学歴関係なくステップアップできる制度も用意されています。
名古屋銀行や中京銀行も高卒の採用を再開しました。中部の地方銀行8行のうち6行が高卒を採用するなど、銀行の高卒人気が加速しています。「地元のことをよく知っている高校生は地方銀行にとって大きな戦力になる」と採用担当者が語るように、銀行では地域に密着した高校生の採用に力を入れてきています。
高卒生を採用するために知恵をしぼる企業
優秀な高卒生を採用するために、企業はあらゆる知恵を絞っています。育てる時間をかけても高卒生を採用する価値がある!と、手厚い研修期間を設ける企業も増えています。大卒入社の社員よりも高収入になるような人事評価システムを設定して、高卒就活生にアピールする企業も。
また、インターンシップや会社見学の開催日を増やし、会社や仕事への理解を深めてもらう機会を多く作ることで、優秀な高校生を確保しようとするなど、各企業さまざまな方法で高校生にアプローチを行おうとしています。
高校生の選択肢が増え、チャンスが広がる高卒就職!
高卒就職生のポテンシャルの高さに気づいた企業が、こぞって高卒採用に乗り出してきています。今まで、「人材不足だから、高卒生も採用しておこう」だった企業が、実際に高卒社員の働きぶりを見て、大卒生にはない高卒就職生の柔軟な思考力や吸収力の速さを実感し、「貴重な戦力になる高卒生を採用したい」と積極的に採用し始めているのです。
就職を考える高校生のみなさんにとっては、大チャンス!今まで大卒生の採用のみだった職種にも高卒採用枠が増え、入社後も大卒生と同等以上の人事評価システムが用意されています。学歴を気にすることなく、自分の希望する仕事に就職できるチャンスが広がっています。