高卒で就職し、仕事を始めたら10年後は29歳。どんな自分になっていると思いますか?先輩たちはどんなふうにキャリアを積み、自信を身につけたのでしょうか。東京都の若者(25~34歳)を対象に働き方や仕事に関する意識をリサーチした「若者のワークスタイル調査」から高校生の皆さんの先輩の姿をご紹介します。
「あなたの強みはなんですか?」
「あなたの仕事上の知識や技能についての強みはなんですか。また、その強みはいつごろ、どんな経験で身についたものだと思いますか。」という質問に自由に回答してもらった調査結果を見てみましょう。
年齢で大きく変化する高卒者の強み認識
学歴や性別、年齢、収入、雇用形態によって「強み」の自覚はさまざまです。なかでも高卒者に特徴的なのは年齢の上昇によって変化が見られること。25~29歳では自由記述に対し「なし・無回答」が44.5%でしたが30~34歳では34.7%に減少し、「スキル・資格」カテゴリーの強み認識が5%以上高まっています。
18歳からのキャリアの積み重ね
高卒者の強み認識が30代前半でぐんと強まる理由は何でしょう。高卒直後、18歳で仕事を始め30代になるということは12年以上の職業経験を持っていることになります。その経験が自分のスキルを自覚させ、自信を増しているといえそうです。
どこで強みを身につけたの?
職場がスキルアップのための重要な場であることは、強みの「獲得経路」の調査からもわかります。学歴、性別ごとにどこで強みを身につけたと考えているかをみると「学校」や「生活」「なし・無回答」にはばらつきがありますが、いずれも「職場」が最多。特に高卒者では「学校」と答える人の割合が低く、相対的に職場で強みを身につけたと感じている人が多くなっています。
働き方と「強み」の自覚
調査対象全体のデータですが、「強みは何か」という質問に対し「なし・無回答」だったのは多い順に「現在無業」49%、「一貫して正社員以外」37%、「正社員から非正社員」30%という結果でした。新卒後正社員として定着した群の20%と比べると、強みを育てたり、自覚したりしづらいのがわかります。新卒で就職した会社で経験を積むことは、職業人としての長所や得意なことを育みやすい環境だといえるかもしれません。
重要!就職先の選択
・高卒者の多くが学校よりも職場で自分の「強み」を身につけた、と感じている
・年齢が上がる、つまり長く働いている人ほどそう感じる割合が高くなる
・一貫して正社員として定着した人はより何らかの「強み」を自覚していることが多い
これらを見ると、新卒時の就職先の選択が大切だということがわかります。高卒新卒の4割が3年以内に退職する、というのが現状。ですが自分に合った仕事・職場をきちんと選択できれば、10年後にも職業人として自信を持って活躍できることでしょう。近年は高卒就職者の人気が高まり、求人数も増えています。しっかり情報収集をして自分を成長させることのできる会社を選んでくださいね。