若年の働き手不足が問題となっている昨今、ますます大人気の高卒就職生。近年は、有効求人倍率も高く、早期に内定が決まる高校生が多いようです。昨年の9月末は、過去最高を更新する内定率でしたが、今年はどうだったのでしょう?気になる数字が発表されました!
9月末時点の就職内定率は前年度より微減
厚生労働省が発表した、平成30年9月末時点でのハローワーク求人における各状況の取りまとめによると、今年9月末時点で、高校生の就職内定率は62.3パーセントでした。前年度の同時期と比べると0.4ポイント低下しています。
2017年まで、高卒新卒採用の内定率は8年連続上昇を続けており、昨年は9月末の時点で過去最高の内定率でした。昨年が前年度に比べて2.3ポイントも上昇したことを考えると、今年0.4ポイント減ったとしても、依然、高い内定率だと言えるでしょう。
日程も少なからず影響か?
今年は、選考解禁日以降の9月の平日が9月18日から28日の8日間しかなく、本来なら内定が出始める9月29日・30日が土日であったため、内定決定の日を9月から10月に後ろ倒しした企業が、一定程度あったようです。これも、内定数が微減した原因のひとつかもしれません。
相変わらずの売り手市場
求人数は約45万4千人で、前年比11.3パーセントの増加です。どの企業も働き手不足の中、若く柔軟な人材である高校生に期待を寄せているのが、数字からも読み取れます。
しかし、求職者数は約17万3千人で前年比0.1パーセントの増加のみ。求人倍率を見てみると、高校生1人に2.63社の求人がある計算になります。企業の期待とはうらはらに、これから高卒での就職を希望する高校生の母数が少ないのが現状なのです。
高校の体感としては90パーセント越え?!
厚生労働省が発表した内定率では微減というデータですが、進路指導をしている高校の現場では、一次募集の内定率は去年以上に良いというのが実感のようです。ある高校では、10月初めの時点で、一次募集の内定率が94.3パーセントだったところも。
求人数も求人倍率も高く、引き合いは強いので、一次募集で内定を勝ち取っている高校生が多いのが現状ではないでしょうか。
高校生を採用したいなら、しっかりと対策を!
高校の進路指導室には、一次募集で応募がなかったり、足りなかった企業や、目標の人数を採用できなかった企業からの「二次募集」に関する問い合わせの電話が多くかかってきているようです。
二次募集に受験する生徒がいるかどうか、学校に慌てて連絡をいれるよりも、一次募集でしっかりと応募者を確保できるように対策をとらないと、ますます高校生の採用は難しくなるでしょう。
大手企業も高卒採用に力を入れ始めています。少子高齢化が避けられない今の日本において、若手人材の確保はどの企業も最優先事項かもしれません。9月末の内定率の高さからみても、一次募集が勝負なのは明白です。
高校生採用活動を7月の求人公開から始めるのでは、遅いのかもしれません。高校生は、求人票で比較するだけではなく、自ら情報収集をするようになっています。高校生の目にとまるためには、図や写真を使って、分かりやすく説明した会社案内や、動画で見せるなどの工夫をした採用サイトをHPに載せるのも効果的です。
高卒採用特有のいろいろな制約もありますが、一次募集で目標数の内定を確保するためには、通年を通して積極的に情報発信をしていくなどの、さまざまな取組みが必要なのではないでしょうか。