今、高卒就職生の人気が止まりません。一人一社制など、さまざまな決まり事があるにもかかわらず、近年、積極的に高卒新卒採用をおこなう企業が増えています。
高校生には大きなチャンス!
企業は高校生に何を求めているのか?企業が採用で重視するポイントを、大学新卒の採用活動と比べながら、解説したいと思います!!
大卒新卒の採用難は高卒新卒に有利?!
日本経済団体連合会の「新卒採用に関するアンケート調査結果」によると、大卒新卒者の採用活動を実施した企業の割合は、2017年度には98.4パーセントと2000年に調査を開始して以来はじめて98パーセント台を超えたそう。
2018年度も98.4パーセントと依然高い水準が続いていますが、採用計画の達成状況を見てみると、「採用計画に届かなかった」とする企業が前年に比べて6.2ポイントも増加しており、大卒新卒者の採用難の傾向が、顕著にみられる結果となっていました。
企業も採用難をヒシヒシと感じているようで、「昨年より売り手市場(学生側が有利)だと思う」が2年連続で8割を超えました。
つまり、大卒新卒を採用するのが難しい時代だと認識した企業が、期待を寄せているのが高卒新卒の採用なのです!
企業が求めているポイントは?
では、企業は高校生を採用する時、何を魅力的だと感じるのでしょうか?
大卒新卒の選考で企業が重視した点は、15年連続で「コミュニケーション能力」が1位でした。2位は9年連続で「主体性」、3位は「チャレンジ精神」。
コミュニケーション能力には、他者との意思疎通が上手におこなえるなどのほかに、「自分なりの意見をのべる」という、能動的な意味も含まれるようです。「主体性」「チャレンジ精神」にも共通しますが、企業として、「自ら考え、自ら行動する人材」を求めていることが伺えます。
一方、東京経営者協会のアンケートによると、高卒新卒に求める能力として①協調性②コミュニケーション能力③基本的な生活態度があげられていました。
協調性では「同僚や上司とうまくやっていけるか」をチェックするそうです。コミュニケーション能力も、「意志疎通がうまくできるか」「人の話をしっかり聞けるか」などの基本的なことを見ているとのこと。ほかに、「若さ」「素直さ」をあげた企業も多くありました。
一方で、「学校の成績」や「専門的な知識や技術」はそれほど重視されてはいないようです。
どうしてでしょうか?
会社に入社すると、会社の同期、先輩や上司、取引先の人達など、たくさんの人と人間関係を持たなくてはいけなくなります。一緒に働く人の中に、自分勝手でコミュニケーションを取ろうとしない人がいると、職場全体に悪影響ですよね。
会社としても、たとえ成績がよくても、そんな人を採用したいとは思わないでしょう。
即戦力を期待されがちな大卒新卒とは違い、高卒新卒就職者に対しては、「就職してから、教育していく」という見解を持っている企業が多いのが現実です。
これは、高校生にとって大きな強みではないでしょうか?
「素のままのあなたを見せてください!」と言われているのと同じなのですから。
見直される高卒就職者
日本経済団体連合会のアンケートには、「内々定を辞退する学生が増加」したと答えた企業が4割もありました。2021年から大卒新卒の就活ルールが廃止されることが先日発表されたばかりです。大卒新卒の就職活動はますます長期化し、採用活動も難航するでしょう。
そんな時代だからこそ、採用スケジュールがきちんと決められていて、短期間で採用活動が終わるだけでなく、内定辞退も少ない高卒新卒生に注目が集まっています。
高卒就職者のまじめに仕事に取り組む姿や、知識を吸収する能力の高さを実感した企業が、継続して採用するケースや、「若い意見を取り入れたい!」と考える企業が高卒新卒を採用するケースなどが、増えてきています。
これからは、「大卒新卒が採用しにくいから、高校生を採用しよう」より、「高校生をぜひ採用したい!」という企業が増えてくるかもしれません。企業が高校生に求めているポイントは、決して難しいものではありませんでした。ありのままの自分に自信をもって、就職活動に立ち向かってほしいと思います。