最終更新日: 2018-08-30
若手人材が欲しい企業に、大人気の高卒新卒生。高校を卒業した後、進路として就職を選択をする人の多い専門系学科の就職先をチェックしてみました。商業・工業・農業高校からの就職では、どのような事業所が一般的なのでしょうか。
過去最高!内定率98.1%
平成30年3月の高校卒業者106万人のうち、高卒就職者は17%の約18万4000人。希望者における就職率は98.1%と、過去最高になりました。
男子の47%、女子の30%が製造業に就職しており、それぞれ業界別の第1位。以下、男子は建設業12%、公務員9%、卸売・小売7%、女子は卸売・小売18%、医療・福祉11%、宿泊・飲食サービス9%とつづきます。
職種別に見ると、男子が生産工程、建設、専門的・技術的職種が多いのに対して、女子はサービス、生産工程に加えて23%が事務職であることが特徴です。
さて、ここからは高校の専門学科別に、特徴的な就職先を見ていきましょう。学科別の就職率は、数値の高い順に工業99.5%、商業99.2%、福祉99.1%、農業99.0%、水産98.8%となっています。
商業高校を卒業した人の就職先
OAビジネス、情報処理、会計、秘書などの学科がある商業高校からは、業界を問わず事務職、販売職として就職するケースが多いようです。卒業後の仕事をイメージし、在学中に簿記やパソコンの資格を取る生徒が多いのも企業にとって魅力的です。
また、簿記を活かして企業の経理部門に配属されたり、プログラマーの卵としてインターネットやシステム系の中小企業に入社する場合もあります。小売業では、店頭での接客、在庫管理などの仕事に就く人も多いようです。
工業高校を卒業した人の就職先
機械、電気・電子、建設・土木、化学などの学科がある工業高校からは、製造業や建設会社に入社するのが一般的です。最近は、エネルギー関連の企業が積極的に採用していたり、独自の技術で大手メーカーとの取引を増やしている企業もあります。
大卒での入社の門戸が狭い大手メーカーも、製造現場で働く人材を高卒採用したいと考える企業が増えてきました。製造業では専門スキルの技術継承が課題になっています。
学ぶ意欲のある工業高校生は大人気!工業高校のカリキュラムを高校時代にしっかりと身に付けた人は、技術学習への取り組み姿勢を評価してもらえます。工業科は高卒新卒生の活躍できる環境がとても広い学科だといえるでしょう。
農業高校を卒業した人の就職先
従来は農家の後継ぎのイメージが強かった農業高校は、園芸センターや食品・飲料関連の企業への就職が多かったのですが、最近は料理、フラワーアレンジメント、動物関連の学科が増え、就職先も多岐にわたるようになりました。
例えば福岡県立福岡農業高校では
・都市園芸科 ・環境活用科 ・食品科学科 ・生活デザイン科
などの多様な学科を持っています。就職先もバラエティに富んでいて、環境整備ビジネス、食品メーカー、流通などさまざま企業から選択していることが伺えます。
最近、顕著になっているのは、新しいタイプの農業法人や、地元企業への就職の増加です。地元企業については、地場の製パン会社や酒造会社など「生産系」に加えて、ホテルや飲食店などのサービス業、フラワーデザインなどの「装飾系」が徐々に増えてきています。
専門科の高校生は、在学中に働く意識を持ちやすい傾向があります。即戦力として、また長期的に事業を支える人材として積極的に採用したい!と多くの企業が狙っている高卒新卒生。今や選択権は高校生の手にある、と言っても過言ではありません。心構えをしっかりともって高校生活を過ごせば、高卒就職、きっと成功させることができますよ!