9/5は高校生が企業に向け、応募書類を発送を開始する日です。今週中には、高校生からの履歴書や調査書がポツポツ到着し始めると見られます。高校生の採用活動をしてきた企業のご担当者は、見込みの人数の応募があるかどうかヒヤヒヤしていらっしゃることでしょう。
高校生の求人倍率2.37倍、求人数前年比13.7%増
厚生労働省発表、2018年7月末時点の高校新卒者求人・求職状況とりまとめを見てみましょう。求人数は高校生1人当たり2.37件、求人数は過去最高水準だった前年の同期比13.7%の増加。「高卒新卒生の奪い合い」がさらに激化することが予想されます。
求職者(高卒での就職を希望する高校生)の数は179,973名と前年から155名減少。ところが求人数は426,119名と昨年より5万人以上増えているのです。どうりで求人倍率が高くなるわけです。
業種別に見た求人増加
圧倒的に求人数が多いのは「製造業」。14万人超の求人があり、増加率は16%です。製造業といっても幅広く、中でも求人数がもっとも多いのは24450人の「輸送用機械器具製造業」。大手自動車メーカーが採用を増やすと発表するなど、増加率も21%と大きくなりました。
製造業で19101人と次に求人数が多いのが「食料品製造業」。増加率は6%です。食品製造大手は高校生にとって馴染みのある企業も多く、人気の就職先となっています。
業界ごとに見ると、次に求人数が多いのは「卸売業、小売業」。スーパー、店舗販売などには52920人、12.5%増と大きな需要があることがわかります。もっとも増加率多い業種は「運輸業、郵便業」の25.6%増。人手不足がニュースにもなっている業界です。
大企業の求人が増加!
従業員1000人以上の大企業の求人数は40,611名、5000名以上増え14.7%の増加となりました。全体平均の13.7%を上回る増加率。今まで高校生採用をしてこなかった大企業が、大学新卒では採用しきれない若手人材を採ろうと進出してきています。
高校生には大チャンス!でも…
当面、企業の高卒新卒生を採用したい、という意欲は弱まる気配がありません。新卒の就職活動は景気に左右される部分がありますが、これから少子高齢化が明らかな日本では若手人材が引っ張りだこなのも当たり前。高校生採用を始めてみたところ、大変優秀だということがわかり、採用枠を増やし教育体制を整えて本気で取り組む大企業が増えつつあります。
中小企業にとっては高校生採用はますます難しくなりそうです。高卒新卒求人の59%を占める従業員99人以下の企業の求人数は253,205名。来週始め、高校生からの応募が足りなかった企業は対策が必要になるといえるでしょう。