高卒で成功する人と、そうでない人のどこが違うのでしょうか。前編では、「学ぶ姿勢」「責任感」「他責にする」など、5つの傾向を挙げさせていただきました。さて、このほかに、どんな違いがあるのでしょうか。引き続き、成功・失敗を分けるポイントについてチェックします。
「成長志向の有無」
当然ながら大卒者よりも若く、変化の可能性に富んだ高卒者。ただ、漫然と毎日を過ごしていてはもったいないことになります。伸びしろが大きいからこそ、自分のなりたい姿・やりたいことをはっきりと自覚することが大切です。どんな仕事をしたいのか、夢や計画を本人にイメージさせるような対話をするようにしてみてください。
「コミュニケーション力」
よく言われるコミュニケーション力。これについてはいろいろな考え方がありますが、職場においては「他の人の伝えたいことの意味をきちんと理解する」「相手に理解してもらえるように、自分の考えを伝える」ことが重要だと思います。お客様や取引先、職場の同僚など、人と関わらずにできる仕事はほとんどありません。
関わる人の言いたいことは何か、感情や真意を含め理解しようと意識して行動したり話したりすれば、その意欲自体も相手に伝わります。職場のコミュ力の高い人の真似をするのもいいかもしれませんね。コミュニケーション能力を高めれば、わかりあえないことが原因のストレスが減り、結果として仕事の成果もあがります。
「前職で実績を残しているか」
実際に社会に出たら、将来のキャリアについても考えながら、働くひとのほうがより成功に近づきます。中途採用枠に同年齢の人が複数応募してきた場合、大卒者を優先的に採用しようと考える企業も多いようです。このような場合、高卒の方々は、どのような面を武器にすればうまくいくのでしょうか?
企業は即戦力になってくれることを期待して採用活動を行うので、特に中途採用の場合は、「実力」で競うことができます。ライバルが同じ年齢で大卒だったとしても、その分、経験をアピールすれば充分対抗することができるでしょう。転職を成功させるには、前職での実績をアピールすることがコツといえます。何が自分の経験・キャリアになるのかを意識して仕事をしていくことが重要なのです。
「転職先の見極め(学歴フリーの業界・会社)」
では転職先にはどのような会社が適しているのでしょうか。高卒者にとって、大企業や古い企業、歴史ある企業は、学歴の壁が厚い傾向にあるようです。反面、学歴自体はほとんど気にしない企業も多く存在します。
例えばベンチャー企業。IT企業やWeb系の会社は、学歴よりも個人の資質や行動力を評価します。ベンチャーといっても、現在は規模が大きくなっている企業も多く、そういった会社は学歴不問かつ年収が高い、という魅力的な職場であることが多いので、狙う価値は十分にあります。また、外資系企業の中にも、日本に進出したての会社や販売業・小売業など学歴を必要としない業種もあります。
「将来へのビジョンの有無」
将来の自分について明確にイメージできている高校生は多くありません。学校卒業後、どんな会社でどんな仕事をするかという短期的なことで頭がいっぱいかもしれませんが、少し視点を変えて長い職業人生のビジョンを考えるよう促してみてください。
自己分析もキャリアプランも、一人で考えると限界がありますが、家族や先生と話し合ったり、就職エージェントなどのプロに相談するという手もあります。大切なことは将来ビジョンを持つこと。目指すものを意識できているかどうかは成功への分かれ道になると思います。前編