高校生の進路にかかわるさまざまなデータがあります。そこから見えてくるのはどんなことでしょう?最新のデータを参考に、今の高校生の未来を想像してみました。
高卒採用、内定率連続上昇中!
まずは明るいデータから。毎年3回、文部科学省が発表している「高等学校卒業(予定)の就職(内定)状況に関する調査」から読み取れるプラスの情報をご紹介します。
平成28年3月卒業予定の高校生の就職内定率は98.3%。2009年の91.6%から7年連続で上昇しています。大卒者採用も含め、企業の採用意欲の高まりが感じられます。高校生自身の意欲次第で、就職しやすい環境になりつつあるといえるでしょう。
採用選考時に重視される要素
さて、ではどんな人材が企業に求められているのでしょうか。日本経済団体連合会が毎年発表している「新卒採用に関するアンケート調査結果の概要」の2015年度版(2016年4月入社)からピックアップしてみます。
トップは「コミュニケーション能力」
企業が選考にあたり重視した点を、25項目から複数選択する設問です。12年連続第1位は「コミュニケーション能力」で、85.6%。
第2位の「主体性」60.1%、第3位「チャレンジ精神」54.0%を大きく引きはなし、約50%だった2001年からうなぎのぼりです。以下「協調性」46.3%、「誠実性」44.4%、と続きますが仕事の現場で課題になっていることがどのようなことなのかが、この結果からも読み取れます。
このアンケートは、主に大卒採用に関して聞いているのですが、社会人として職場で期待される力は大卒・高卒とも共通です。コミュニケーション能力は仕事だけではなく、生徒たちのよりよい人間関係にも役立つもの。高校生に意識的に働きかける最重要ポイント、といえるかもしれません。
2人に1人の仕事がなくなる?
今度はちょっと変化球。野村総合研究所が2015年12月に発表した英オックスフォード大学との共同研究の結果から推計される、ショッキングなデータをご紹介します。それは今ある仕事が、人工知能やロボットなどにとってかわられる比率の予測。
10~20年後、何と約49%の仕事が、人工知能によって代替できる可能性が高いというのです。人口減少に伴い、労働力が減ると見込まれる日本にとってはありがたい話であるともいえますが、特別な知識やスキルが求められない単純な仕事はなくなってしまうともいえます。
それでも人がやる仕事
いくら人工知能が賢くても、簡単に「ハイ、交代」とはいかない仕事もあります。それは創造性、協調性が必要だったり、他者の理解、説得やサービススキルが求めらるような仕事。
具体的には、教員、保育士、美容師、スポーツインストラクター、カメラマンなどです。企業の採用重視項目は、人にしか担えない仕事をするうえで重要な要素ばかりであることが改めて感じられますね。「コミュニケーション能力」今すぐ磨かなければなりません!