先生方の進路指導のお悩みに役立つヒントをご紹介するシリーズです。1回めは進路決定、2回目め生徒のスキルアップに関するアイデアでした。
3回めの今回は、生徒・保護者との関係について。進路指導をする段になって、急に関係づくりを意識しても遅いですよね。信頼関係を築くために日ごろから努力をされていると思われますが、参考にしていただきたい知恵をご紹介します。
Q 保護者とよい関係を作る方法を教えてください。
A 高校生ともなると、教師とはある程度距離を持って接する保護者が多いようです。しかし、事が起きたときは早急な対応が大切なのは小中学生と同じ。保護者からアプローチがあれば迅速に対応するのはもちろん、学校からもこまめに連絡をすることが、信頼獲得につながります。
多くの保護者は、学校から連絡があるのは悪いニュースだと思うものです。あえて生徒がよいことをしたときに連絡をしてみてはいかがでしょうか。「うちの子をよく見てくれている」という安心感を持ってもらえます。
保護者会や面談で実際に対峙する時のコツは3つ。「まず最初に褒める」「笑顔を絶やさない」「うなずき、あいづちを打ちながら聞く」。
保護者と良好な関係を築くことができれば、クラス運営や進路指導にもメリットになります。言いにくいことを伝えなければならない時は「お願い」モードで話してみましょう。
Q 生徒との信頼関係を作るにはどうしたらいいでしょう?
A まず集団としての子どもたちと、個々に関わる場合の違いについて考えてみましょう。規律第一の上から目線、ルール一辺倒では反発を買いますよね。逆にフレンドリーすぎても、生徒から侮られてしまいクラス運営に支障をきたします。
大切なのは両者のバランス。集団を扱うときはルール中心、個別の生徒に対してはふれあい重視のカウンセリングマインドで対応することが必要です。教師にとっては40名のクラスメンバーですが、生徒から見ればたった1人の担任。生徒ひとりひとりにとっての「私の先生」になりたいものですね。
Q 注意が必要な生徒の変化って?
A 高校生に悩みはつきもの。教師が役に立てることはそう多くはないのかもしれませんが、SOSサインは見逃したくありませんよね。経験豊かな先生方の声を拾ってみました。
表情、視線
クラス担任ならば、朝のホームルームなどで全員の表情を確認してみてください。毎日意識して見ることで、変化が把握できるようになるはずです。様子がおかしいと思ったらなるべく早く声をかけましょう。
視線ですが、じっと目を合わせてくる子、逆に一切目を見て話さない子、両方とも注意が必要です。元気のないときはぜひ話しかけてください。
欠席・遅刻、授業態度、成績
急激な変化は、やはり何かのサインです。早めの対応が必要です。まずは「最近どうしたの?」と声をかけてみてください。
容姿の変化、服装の乱れ
これらは本人の意志で変わるものです。声をかけ、理由を探ってみましょう。
何らかの葛藤や反抗の意思表示であれば、よく話を聞く必要がありそうです。特に3年次の夏以降はストレスの高まる時期ですので要注意。生徒の気持ちに寄り添った対応が求められます。