大人のビジネスプラン作りにチャレンジ!
宅配便大手ヤマト運輸の協力を得て、ジュニア・アチーブメント日本が実施している高校生経営セミナーについてご紹介します。ヤマト運輸社員のバックアップを受けて、高校生が社会の仕組みや経済の働きを学ぶこのプログラム。どのような取組みなのでしょうか?さっそく実施の内容をサイトでチェックしてみました。
「ヤマト運輸高校生経営セミナー」
平成18年より毎年行われているこの取組み、平成28年第11回のテーマは「お客様の利便性向上のための新サービス企画 ~キーワードはフルデジタル化~」を考えるというものです。参加は各高校から1チームのみ。日本国内であれば地域を問いません。全国の18チームの高校生が約6カ月間の活動を行いました。
プロジェクトは8月にスタート。各校の地元のヤマト運輸の社員がメンター(助言者)として学校を訪れたり、高校生を職場に案内して、現在行っているサービスについて説明します。実際に行われているサービスの知識を学んだ後、5人で1チームの高校生がテーマに基づいた企画の立案に取り組み、1月下旬に東日本・西日本の地区予選会で考案した企画を発表に臨みました。
東西の地区予選大会を勝ち抜いたそれぞれ4チーム、計8チームは2月25日、ヤマト運輸本社にて長尾社長含むヤマト運輸の経営陣の前でプレゼンテーションを行うことになります。
高校生のフレッシュなアイディア
優勝したのは長野県屋代高校の1年生チームが考案した「ムービーコネクター(荷物に動画サービスを付属し提供するサービス)」。審査の基準は「ヤマトらしさ、お客様の立場、登場人物、事業としての実現性、費用対効果」と、高校生にとっては少しハードルの高いものですが、屋代高校チームはすべてにおいて高い評価を得たとのことです。
サービスの内容は「農産品の安全性や生産者の思いを知ってほしい、という身近な農家のニーズから、二次元バーコードを用いて荷物に動画を添付し、情報提供を行う」というもの。食の安全性という着目点やその商品設計、プライシングなど、優れた発想や分析が評価されました。
セミナーの目的
高校生が将来、社会人として働くうえで重要な5つの能力を育てることを目的にしたこのプログラム。
・問題を認識し、目標達成に向けて最後まで諦めずにやり遂げる力
・コミュニケーション能力
・リサーチ・分析力
・計画通りに作業を進めていくタイムマネジメント
・プレゼンテーションスキル
8月から2月という長い期間、社会人のアドバイスを受けながら、真剣に課題に取組んだ生徒たちは何を感じたのでしょうか。
経営を本気で考えた高校生たち
発表会後の生徒の感想をのぞいてみましょう。「指示を待つだけではなく、自ら考えて行動する必要性を感じた」「考えを他の人にわかりやすく伝える難しさを知った」「大変だったがやり終えた達成感が心地よい」高校生活の中だけでは得られない貴重な体験になったことがうかがえます。
社会人がバックアップする仕事体験プログラムを経験するチャンスが増えてきました。学校を通しての取組み以外にも、サイトから個人で申し込むものもあります。高校生の間にぜひチャレンジしてみてください。