インターンシップ実施率100%?!
高校卒業後の進路選択に関わるキャリア教育の一環として、高校生にこそ必要不可欠なインターンシップ。北海道の道立高校では、実施率が100%だということを、ご存知でしょうか?2009年度から10年連続で100%の実施率を誇る北海道の高校生インターンシップ。北海道教育委員会の調査結果をもとに、北海道のインターンシップの取組みについて、ご紹介したいと思います。
インターンシップの実施状況
・実施する学年は2学年が最も多い
・3年間を通して複数回体験した生徒は全体の65.6%
・実施日数は1日間がもっとも多く、次に3日間、2日間と続く
(最も長いのは置戸高校の福祉科の実習で34日間)
・インターンシップ前後の指導にかけた時間は、どちらも1~5時間が最も多い
重視している指導内容
【事前指導】
・インターンシップの目的を生徒に決めさせ、確認させる指導
・マナーに関する指導
【事後指導】
・レポートの作成や報告書でインターンシップでの経験を評価させる指導
・意見交換会や発表会を通して、成果や体験を共有する指導
インターシップに関する成果
【生徒】自分の将来の進路に対する意識を明確に持つことができた
【受入れ事業所】生徒や学校に自社の事業内容などを、実際に見て、理解してもらえる場になった
【保護者】子供が真剣に自分の進路を考えるようになった
インターンシップの機会を作るだけではなく、事前指導や事後指導を通して、生徒に目的や意義をしっかり伝え、意見交換会や発表会の場で体験をフィードバックすることで、実感をもって理解できるような取り組みが定着しているようです。
インターンシップの効果は離職率にも!
北海道労働局のHPに掲載されている「高卒新卒就職者の離職状況」によると、高卒者の早期離職率が年々低下しているのが分かります。インターンシップの取組みの効果が数字として表れた結果ではないでしょうか。
インターンシップはなぜ必要なのか?
高校生のインターンシップは,1999年に旧文部省が教育国を目指して掲げた、「教育改革プログラム」を発端に、各都道府県において取組みが進められてきました。20年たった今、キャリア教育とインターンシップの必要性はますます高まっており、早い段階でのキャリア教育やインターンシップの経験の場を生徒に与えようとする取組みも活発になっています。
将来の進路に関係した職業体験をすることは、職業観や勤労観を育成するためにも、全ての高校生に必要なものです。もちろん、能力を身につけたり技術を学んだりすることも大切ですが、インターンシップの意義は「人生観・仕事観を自ら考える」「学生生活でやるべきことを明確にする」の2点に尽きるのではないでしょうか。
インターンシップを通して、高校生が自分の進路を主体的に決定する意欲を持たせることは、教育活動としてとても大切な意味を持ちます。インターンシップは「働くこと」と「学ぶこと」を繋ぐための貴重な手段として期待されているのです。
インターンシップを通して、普段とは違う環境に身をおくことで、高校生はさまざまな事を学ぶことができます。その経験は、具体的な将来イメージを持って、充実した学校生活を送ることに繋がるでしょう。ぜひ、早い段階で高校生にインターンシップを経験させる環境を整えてあげたいものです。