就職を考えている高校生のみなさん。「キャリア・パスポート」を知っていますか?2020年4月からの実施が決まっている「キャリア・パスポート」を活用することで、就職活動に役立つ力が身につきます。そもそも「キャリア・パスポート」って何?から活用法までを伝授します!
「キャリア・パスポート」とは?
「キャリア・パスポート」は、特別活動(ホームルームや学級活動など)を中心としたキャリア教育を実践するためのツールです。自分の学習状況等を通して自己評価を行いながら、主体的に学ぶ力を育て、自己実現につなげようという試みです。
文部科学省主導のもと、2020年4月から全国の小・中・高で実施されることが決まっており、2019年から導入を始めている学校もあります。
1年間、または入学から卒業までの3年間を通して、長期的に自分の学びや考えを振り返りながら、将来の見通しを立てる力を身につけていきます。
「キャリア・パスポート」はメリットがたくさん!
「キャリア・パスポート」はポートフォリオがメインになります。ポートフォリオとは、テストの点数や偏差値だけでは測れない個人の能力を発見するため、日々の授業や学校行事、課外活動で学んだこと、感じたことを生徒に記録させる方法です。生徒のレポートや写真、動画などを保存することで、生徒が自分の事を客観的に振り返ることができ、自分の成長が目で確認できるので、モチベーションアップにもつながります。
文部科学省の学校調査でも、ポートフォリオを活用している学校の方が「生徒が自分の進路や生き方を真剣に考えている」と答えた割合が多いという結果が出ています。
【メリット】
① できた事が明確に分かるので、目標を立てやすい
→自分ができた事を確認することでモチベーションアップにもつながり、次に何が必要なのかを考える材料になります。
② 自分の考え方の変化を感じられ、自己理解が深まる
→学習や体験を通して感じたことを記録しておくことで、自分の成長を確認することができます。自分の長所・興味・関心など、多方面から自己分析ができるようになります。
③ 先生との意思疎通がスムーズにできる
→「キャリア・パスポート」は学年が変わっても引き継がれるので、自分の考えや学んできた過程を先生と共有しやすいです。就職先を決める時にも、意思疎通がしやすいでしょう。
「キャリア・パスポート」で身につく就職に有利な力!
キャリア・パスポートを活用することで、4つの力が身につくと期待されています。
① 課題に対応する力
② 人間関係や社会性を築く力
③ 自己管理や自己理解を深める力
④ キャリアプランを形成する力
特に、「キャリアプランを形成する力」は就職を考える高校生にとって、とても必要な能力です。「働くこと」の意味を理解し、いろいろな情報を取捨選択しながら活用し、主体的に考えてキャリアプランを立てられれば、おのずと自分が進みたい道が見えてきます。
書くことが苦手でも大丈夫!
書くことが苦手な高校生もいるでしょう。でも、大丈夫!
「キャリア・パスポート」の様式は、文部科学省が用意したテンプレートがありますが、基本的には各地域や学校が必要に応じてカスタマイズして使用します。すでに「キャリア・パスポート」を活用し始めている学校では、生徒が記入しやすいような工夫がたくさんされています。
【記録のコツ】
以下のことを念頭に置いて記録していくと、振り返りの時に役にたちます。
・具体的に何をしたのか→その時どう思ったのか
・今度は何をしたいのか→なぜそうしたいのか
書くのが苦手だと「印象に残ったこと→『学園祭』」「頑張ろうと思うこと→『テストの点数をあげる』」と、単語や短文で記入しがちです。『模擬店の売上げが1番で嬉しかったので』とその時の気持ちを少し加えることで、振り返った時に、状況を思い出しやすくなりますよ。
「キャリア・パスポート」は未来への懸け橋
いかがでしたか?高校生のみなさんを取り巻く社会は、どんどん変化しています。波にのみこまれず、主体的に自分の人生を切り開く力が求められています。「キャリア・パスポート」を活用し、自分への理解を深めることで、自分のやりたい仕事や目標も見つかるでしょう。
「キャリア・パスポート」はあなたの今と未来をつなぐ懸け橋です。ぜひ、活用してみてください!!