みなさん、労働法ってどんなものかごぞんじですか?働く条件、環境について不安や疑問を感じた時、知っていれば安心できるルールです。このシリーズでは「働く人を守る労働法」についてわかりやすく解説します。
労働法って何?
実は「労働法」という名前の法律があるわけではないのです。労働基準法や労働組合法をはじめ、はたらくことに関するたくさんの法律をひとまとめにして「労働法」と呼んでいます。
難しそうと腰が引ける方も多いでしょう。ではなぜ、労働法について知っておくべきなのでしょうか?ひとことでいえば、「働くみなさん自身の権利を守るため」です。
雇う人と働く人の約束を「自由に結んでよい」としてしまうと、会社よりも弱い立場にある労働者に不利な内容になりがちです。会社としてやっていいこと・悪いことを明確にすることで、働く人を保護するために労働法が定められています。
第1回は働く前にチェックしておきたいことについて。労働条件の重要な項目、社会保険の有無、就業規則、労働契約の禁止事項など、仕事を決める前に注意するべきポイントをみてみましょう。
「求人広告」そのまま信用してOK?
インターネットで求人情報を探していると、お給料や勤務時間などの情報に幅があることに気づくでしょう。具体的にどんな条件なのか、会社にしっかり確認してから労働契約を結びましょう。
「条件は働きぶりを見てからね」
これは絶対にあってはならないことです。特に重要な以下の6項目については、会社は口約束だけではなく「書面」で明示するルールになっています。アルバイトであっても同じです。契約を交わす前に、必ず内容をチェックしましょう。
1)契約はいつまでか(雇用期間)
2)雇用期間があるときは更新についてのきまり
3)どこでどんな仕事をするのか
4)仕事の時間や休みはどうなっているのか
5)賃金はどのように支払われるのか
6)辞めるときの決まり
「各種保険完備」「社会保険完備」って?
求人情報でよく見かけるこの言葉、どんな意味か知っていますか?それは社会保険の4点セットが備わっている、ということ!
ただ、そこで働くすべての人が4つすべてに加入できるわけではありません。労働時間に応じて資格が異なりますので事前に確認をしてくださいね。
1)雇用保険(保険料は労働者、会社双方負担)
2)労災保険(保険料は全額会社負担)
3)健康保険(保険料は労働者、会社が半々で負担)
4)厚生年金保険(保険料は労働者、会社が半々で負担)
「就業規則」も要チェック!
賃金、労働時間、職場の規律などについて会社が定めるルールです。就業規則は、貼り出したり配布したりして労働者がいつでも内容がわかるようにしておかなければいけないことになっています。ルールを決めてそれを守ることで、みんなが安心して働けるようになり、無用なトラブルを防ぐことができます。自分の職場やアルバイト先で気になることがあったら、就業規則を見て確認しましょう。
こんな条件は禁止!
労働者が不当に会社に拘束されることのないよう、労働契約に盛り込んではならない条件も定められています。
1)労働者が労働契約に違反した場合に違約金を支払わせることや、その額をあらかじめ決めておくこと
2)労働者にお金を前貸しし、毎月の給料から一方的に天引きする形で返済させること
3)労働者に強制的に会社にお金を積み立てさせること
…なぜ禁止なのか、考えてみてください。答えを知りたい人は「知って役立つ労働法」をチェック!労働法は働く人を守る法律。「なるほど」と感心するのでは?