若い人材の確保が難しくなっている、と感じている企業のご担当者は少なくないと思います。せっかく採用した新卒採用の若者には職場に定着し、成長していって欲しいとお考えのことでしょう。そこで、早期の離職を防ぐためのヒントをご紹介します。若い働き手には少し細やかな配慮がいるようです。
1年以内に2割が離職
高校を卒業して入社後3年以内の離職率は、平成12年の5割から平成20年以降4割弱と低下傾向にあります。しかし、1年以内の離職は平成25年時点で2割と昭和62年に統計を取り始めてからあまり変わりがありません。高校から新卒で入社する社員は18才。最初の1年間をうまくサポートすることが重要になりそうです。
会社を辞める理由とその対策
東京都労働局では新入社員が不満を抱き始める原因・遠因を以下のように整理しています。それぞれの対策とともにチェックしてみましょう。
1.仕事に興味がもてない、あるいは適性にあっていない
「やりがい」を感じられることはとても重要です。小さなゴールや達成感を味わえるよう、適切な教育を計画的に行って能力をのばす工夫が必要だといえます。また、提案制度などでアイディアを実務に反映させることもやる気をおこす効果があります。
2.応募時の条件と労働条件が異なる
労働条件や環境は、働き手にとっても最も強い関心のある部分です。また、誤解を生みやすいところでもあるので、現状の把握とともに、今後の改善策などを正しく理解させることが大切です。
3.賃金などの経済的問題
労働条件とも関係しますが、昇給・昇進などの人事評価を「公正さが感じられる」ように行うことで、将来に希望を持てるようになります。
4.職場の人間関係がうまくいっていない
職場の監督者が目を配ることが重要です。若い働き手には身近な先輩社員の中から適任者を世話係・指導係などとして決め、常に気軽に相談ができる体制にすることが大切です。
5.私生活のことで悩んでいる
若者はプライベートでのトラブルや悩みが仕事に影響しやすい傾向があります。職場の世話役や先輩社員が身近な大人としてサポートすることで、仕事に集中できるかもしれません。
6.家庭の事情で悩んでいる
こちらも相談できる同僚がいる環境があることが重要です。休暇や手当を含む福利厚生など、退職を考える前に会社としてフォローできることがないか考えるきっかけになります。
対応は先手必勝
いずれの問題も、早い時期であれば適切なコミュニケーションをとることで解決する可能性があります。しかし、気づかなかったり、放置してしまうと問題行動や突然の退職という結果を招きかねません。特に若い働き手ほど悪い事態に陥るスピードが速いもの。早めの対策をしておくことが重要です。