「進路の話」していますか?
高校生のお子さんと進路についてどんな風に話をしていますか?お節介でも、放任すぎてもダメ…ちょうどよい距離感はなかなか難しいものです。中学から高校とは異なり、より選択肢の広がる高校卒業後の進路。高卒での就職先、進学先やその費用、さまざまな情報を集め進路を決める高校生のサポートはどのようなことに気を付ければいいのでしょうか。
そこで、高校生をもつ保護者とその子どもに対するアンケート調査(2015年第7回「高校生と保護者の進路に関する意識調査」)から見えてくる「高校生が親に望む態度」についてご紹介します。
高校生から見た「親の態度」の評価
高校生は進路選択に関する保護者の態度をどのように感じているのでしょうか。最も多いのは「ちょうどいい」63%。「干渉」傾向と感じているのは24%、「無関心」傾向が11%という結果でした。ほどよい働きかけが多い一方で、3分の1以上が不満を感じていることがわかります。
保護者にしてほしい行動や態度
全体では「考えを尊重する」(31%)「具体的なアドバイスをする」(31%)「話をちゃんと聞く」(29%)「進路について情報収集する」(28%)「あたたかく見守る」(28%)が上位。ただ、「干渉」層は「考えを尊重」「放っておいてくれる」が他と比べて高くなり、「無関心」層は「進路に関心を持つ」「相談にのる」など、積極的な関りを望む傾向があります。
保護者にやめてほしい行動や態度
「望みを高くもちすぎない」(31%)「勉強や成績の話ばかりする」(28%)「プレッシャーばかりかける」(24%)「考えを押し付ける」(22%」「頭ごなしに夢や進学先の希望を否定する」(16%)…耳が痛くなる方がいるかもしれません。お子さんのためを思っての「高望み」はプレッシャーや押し付け、本人の希望の否定にもつながることになりそうです。
干渉的、無関心と感じている高校生は特に「やめてほしい」ことが多い傾向がありました。強すぎる関わり方や「好きなことをしなさいだけで終わる」ことへの不満が見えてきます。
もっと話しかけていい!
この調査では保護者と高校生に「卒業後の進路について(互いに)話しているか」という質問もあります。保護者は「よく」22%、「時々」66%をあわせ「話す・計」は87%。高校生は「よく」18%、「時々」60%で「話す・計」は79%でした。よく話をしている、と保護者が思っていても高校生にはその認識が弱いともいえます。
「話す」と答えた高校生は、冒頭の保護者の態度に関する総合評価の「ちょうどいい」が66.3%と高くなり、干渉層も25.1%と少し増えますが「無関心」と捉える生徒が6.9%と圧倒的に少なくなります。一方「話さない」では「ちょうどいい」49.7%、「干渉」21.1%、「無関心」26.1%という結果に。干渉的になるリスクはさほど減りませんが、無関心だと思わせる危険が増します。
「やめて欲しい」を避けつつ
調査の中に「進路を考えるときの高校生の気持ち」という質問があります。「どちらかというと」を含め、「楽しい」が22.3%、「不安」が72.2%。進路選択は高校生にとってストレスでもあるのです。ご家庭では、彼らが「嫌だな」と感じることを意識しながら、たくさん話すことが大切だといえそう。「ちょうどいい」働きかけで、サポートをしていきたいものです。