人材の定着にお悩みの企業ご担当者の皆さま。高校生インターンシップ、受入れたことはありますか?「人手に余裕がなくて」「何をしたらいいかわからない」など理由はさまざまですが、「受入れの経験はない」という事業所が多いのではないでしょうか。
インターンシップ受入れ側のメリット
高卒での就職を考える生徒はもちろん、進学を選ぶ生徒にとっても仕事観を養う貴重な経験になるインターンシップ。高校生にメリットがあるのは当然ですが、受入れる企業にも良い効果があることをご存知ですか?愛知県の人材育成情報のポータルサイト「ひと育ナビ・あいち」のインターンシップ受け入れガイドBOOKにある事例をご紹介します。
離職率が劇的に低下
清川メッキ工業株式会社がインターンシップに取組み始めたのは25年前。当時の社内は活気が無く、新卒採用もゼロという状態でした。人が定着せず、慢性的な人手不足に社員も疲弊、何とかしなければ…と考えた時に「子どもに仕事を見せたらどうか」と思いついたそうです。
インターンシップ取組みの当初、新入社員の離職率は40%。実施の2年目で15%になり、現在では約1.8%とかなり低い数値を保っています。その大きな理由は職場に来る子供たちの反応に接した社員に「誇り」が生まれたこと。また、自分たちの仕事を伝える技術、仕事の本質をとらえる思考を中堅社員が若手に教える関係性が育ったことも影響しているということです。
社員のコーチング力を向上
ガイドBOOKにはインターンシッププログラムの改善例も掲載されています。半日程度の「楽しませる」インターンシップから、「チャレンジできる」ものへと変更。「指導に対し真剣に取り組む高校生の姿に社員が刺激を受け、手本となるよう心掛けるようになった」「仕事のやりがいについてインタビューされ、普段考えることのない仕事の意味について本気で考えた」など社員の仕事への意欲が高まるという変化をもたらしました。
高校生を対象としたインターンシップは、「社会で働く感覚」を体験させることが重要になります。限られた時間の中で、課題を乗り越える経験や成長の手応えを感じられる実践的なプログラムの提供は簡単ではありませんが、社員側に通常の業務とは異なる刺激となるようです。
指導のメインはベテラン社員が担当するとしても、若手社員をサポートにつけることが生徒の緊張をほぐし、若手社員の責任感の芽生えにもつながります。また、高校生という外部の人間が職場に入ることで「見られている」という良い緊張感をもたらす効果もあります。
拡大の余地のある高校生インターンシップ
高校生のキャリア教育においてとても重要なプログラムであるインターンシップですが、普通科高校の生徒が在学中に経験する割合は2割に届きません。受入れ企業探しに学校が苦心することもひとつの原因です。高校生にとっても、企業にとってもメリットのあるインターンシップ。ぜひ受入れを検討してみてはいかがでしょう。