文部科学省が発表した「平成31年3月高等学校卒業者の就職状況に関する調査」によると、平成31年3月末現在の高卒就職率は98.2%。相変わらずの高卒人気が伺えます。
学科別の就職率を見てみると、商業科は98.9%。就職を希望する商業科の高校生のほとんどが内定を獲得しているのが分かります。
では、実際に商業科の高校生はどんな職業に就職をしているのでしょうか?
商業高卒の需要が多い「事務系」
商業高校の就職先として多いのは事務系の職種です。銀行や保険会社などの金融業界、電気・ガス業界、鉄道・自動車などの運輸・通信業界など、幅広い業界の事務職に商業科の高卒生は就職しています。
事務系だけじゃない!商業科の様々な就職先
事務職の即戦力として、高卒生の多くが事務系の仕事に就職している商業科ですが、最近では、情報処理やプログラミング、広告やマーケティングの科目など、商業高校ならではのバラエティ豊かな授業を活かし、ITエンジニアや広告業界など事務系以外の職種に就職し、活躍する高卒生が増えています。
また、ここ数年、就職希望者の約半数が公務員に就職している商業高校もあります。
高卒生を採用している公務員の職種には「学校事務」「警察事務」「消防事務」などの地方公務員の他に、経産省や国税庁に所属する税務職員などの国家公務員があります。
商業科で学んだ簿記や会計処理、経済の知識が役に立つ公務員の仕事は、商業科の高卒生が活躍できる職種のひとつです。
就活に有利な資格はこの3つ!!
卒業するまでにいくつもの資格が取得できる商業高校ですが、その中でも特に就職に有利な資格を3つあげてみました。
☆簿記検定
簿記の知識は、事務系の仕事に欠かせない資格です。いくつか検定はありますが、日本商工会議所が実施している「日商簿記」がおすすめです。日商簿記の2級を取得していれば、就職活動において強みになるでしょう。特に、税理士事務所や公認会計士事務所などの会計事務所関係に有利に就職できます。
☆珠算・電卓検定試験
そろばんや電卓を使った計算の速さや正確さなどの操作スキルを測る検定です。ビジネスには必要不可欠な計算の基礎や実務処理能力を認定する資格なので、経理や財務の分野だけでなく、各種データ分析など数字を扱う仕事にも活かせる資格です。
☆情報処理検定
コンピュータに関する知識だけでなく、実務的な表計算やプログラミングに関する技能が認められる資格です。
AIの導入など、社会のIT化が進んでいます。ITエンジニアやプログラマーの人材不足のより、企業は吸収力の高い高卒生に注目しています。情報処理検定の資格は、どの職種にも必要なスキルなので、有利に就活を進められるでしょう。
上記にあげた資格は「全国商業高等学校協会」のHPでも詳しく載っています。ぜひチェックしてみてください。
高校の授業で、就職するのに必要な知識やスキルを学べる商業高校のメリットは就職活動において大きな強みです。人材不足が深刻化する中、即戦力となる商業高校生の人気は高くなっています。高校生のうちに取れる資格はしっかり取得して、希望の就職先に就職できるよう頑張ってください!