高校を卒業後、就職をしても退職せざるを得ない場合、加入期間が足りずに雇用保険の給付や加入者向けのサービスが受けられない場合があります。学校を卒業しても就職先が見つかっていない場合や、短期で離職した場合など、雇用保険が受給できない人をサポートする制度があるのをご存知ですか?今回は、厚生労働省が実施している早期就職実現を支援する「求職者支援制度」をご紹介します。
求職者支援制度ってなに?
求職者支援制度は、ハローワークが必要だと認定した場合、職業訓練を無料で受講することができる制度です。また、一定の要件を満たし、訓練を受講中であれば給付金ももらえます。雇用保険の対象外であってもハローワークのきめ細かい支援が受けられるのです。
受講する要件は?
求職者支援制度は原則として、雇用保険をもらえない方が対象。受講するためには、ハローワークに相談に行き、まず「支援指示」を受けます。「支援指示」の対象となるのは以下の要件5つ全てを満たす必要があります。
・雇用保険受給資格者ではないこと
・雇用保険被保険者ではないこと
・ハローワークで求職の申請をしていること
・労働の能力と意志があること
・職業訓練などの支援が必要だとハローワークから認められること
求職者支援制度のメリット
求職者支援制度のメリットは4つです。
資格を無料で取れる
IT、営業、医療事務、介護福祉など、さまざまな資格を無料で取ることができます。
知識やスキルを身につけられる
コース内容は民間の訓練機関が厚生労働大臣の認定をうけて行っています。
社会人としての基本的なスキルを身につける「基礎コース」と希望職種にあった実践的なスキルを習得する「実践コース」があるので、社会人経験がない高卒生でも安心して受けられます。
職業訓練給付金がもらえる
一定の条件を満たせば、職業訓練給付金をもらいながら職業訓練で資格を取ることができます。
生活リズムが整う
職業訓練は平日の朝から毎日おこなわれるため、参加していれば自然と規則正しい生活が送れます。また、一緒に学ぶ仲間がいることで、頑張る気持ちも持続しやすいでしょう。
ビルメンが人気?!
最近人気の職業訓練コースは、ビルメンだそうです。ビルメンとはビルメンテナンスのこと。商業施設やオフィスビルのメンテナンスを主に行う仕事です。商業施設やビル、賃貸マンションなど、どこの地域にもメンテナンスを必要とするビルがあるのでビルメンテナンスの資格を持っていると重宝されるのだそう。
その他にも就職に有利だとされているコースは、介護・不動産、保育、プログラミングなどです。介護は最後まで訓練に通えば「介護職員初任者研修(昔のヘルパー2級と同等資格)」の資格も取得可能です。他の職種に比べて圧倒的に求人も多いので、就職しやすい職業です。
いかがだったでしょうか。思うように就職活動が進んでいなかったり、就職先で行き詰っていたりすると、焦る気持ちだけが大きくなってしまうものです。
そんな時は、目線を変えて、公的な支援制度を利用するのもひとつの方法ではないでしょうか。住んでいる地域のハローワークのサイトで、詳しくカリキュラムなども調べられるので、興味を持ったらぜひチェックしてみてください。